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フォトカプラに流す電流の計算方法

Posted on Posted in 趣味的なIT・ネットの話題

僕の本(ホームページ?)をみたMさんという方から以下の質問をいただきました。初心者の方で同様の疑問を抱く方がいらっしゃるかも知れないと思いましたので、回答を公開しておきたいと思います。

 

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始ままして。お世話になります。

 

電子回路初心者です。

東京コスモスのTWE-Lite Dipの出力(4mA以下?)をフォトカプラでON/OFFしたく、TLP521-4を購入したのですが、データシートではIFが50mAとなっております。

管理者様の回路図を見ると3.3Vで680Ω=約5mAになるとおもいますが、このTLP521は最低、何mAから確実な動作が出来るのでしょうか?

私がデータシートの素人読み込みで50mA必要と思い込んでいたのでしょうか?

仮に、5mAでもOKなら2~3mAでもいけますか?

宜しくお願いいたします。

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Mさん、こんにちは。

正直なところアナログ回路はあまり得意では無いのですが、わかる範囲で回答をさせていただきます。

ご質問の件については、基準と視点を変えることが必要だと思います。

TLP521の「50mA」という数字は、「絶対定格」に記載されている電流だと思います。絶対定格は、素子の動作条件ではなく、その素子の使用条件として、「絶対に超えてはいけない条件」を意味します。この条件を超えてしまったときには、その素子が壊れるかも知れないし、もしかすると発火して家を焼くかも知れない、そうなってもメーカーとしては知らないよ、責任持てません、という意味で「絶対」なのです。

50mAちょうどであれば、いちおう絶対定格の範囲内ではあります。ただ、電源電圧が変動したり、電流制限抵抗の値が温度で変動したり、内部のLEDのVFのばらつきなどにより、いつこの絶対定格を超えてしまうかわかりません。ですので、設計をするときには、不確定要因の変更を見込んだ上で、「絶対」に「絶対定格」を超えない電圧や電流を設定します。

次にLEDに何mA流したらよいのかということですが、これは「Mさんで無いとわからない」というのが結論になります。というのも、フォトカプラのLEDに何mAながしたらいいかは、フォトカプラのトランジスタに何mA流したいかで決まるからです。

フォトカプラを使うということは、トランジスタでスイッチングしたい回路がその先にあるのだと思います。それはどういった回路でしょうか。通常のLEDであれば数mAでしょう。デジタル系でプルアップ抵抗につなげるだけなら1mAいかでしょうね。

フォトカプラのトランジスタ側は、フォトトランジスタであるとはいえ、振る舞いはトランジスタなので、ベース電流の代わりである、受光量に応じて、コレクタからエミッタに流れる電流が変わります。つまり流したい電流に応じて、LEDの発光量を変えるということです。

TLP521のデータシートの後ろの方を見てもらうと、縦軸がコレクタ電流、横軸が入力電流になっているグラフがあると思います。性能の悪いサンプルBで考えるとして、コレクタ電流に10mA流したいのであれば、入力電流として10mAぐらいが必要なのがわかります。コレクタ電流として1mAぐらいが欲しいのであれば、入力電流としては3mAぐらいあれば十分でしょうね。

ちなみにですが、このデータシートからすると、TLP521のコレクタ電流は、絶対定格も考えると、30mAぐらいが限界という感じがします。だんだんカーブが緩やかになって、入力電流を増やしてもコレクタ電流を増やせなくなってますね。ですので、もし、もっとコレクタ電流を流したいという状況なのであれば、後ろに更にトランジスタをつなげるとか、最初からダーリントン出力のフォトカプラを使うといった工夫が必要になるでしょう。そうすれば発光側への入力電流も減らせますから、TWEの負担も小さくなります。


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