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2005年12月の9件の記事

平成18年(ワ)第28616号損害賠償本訴請求事件 平成19年(ワ)第32052号商標使用権確認反訴請求事件9

 争点(3)〔使用許諾合意の終了〕について

(1)原告は,本件商標権1に関する本件黙示合意1,本件商標権2及び3に関

する本件黙示合意2及び3,本件商標権4に関しても拘束力を有する本件黙

示合意1があったとしても,これらの使用許諾合意は,ダイエーが訴外会社

の発行済み株式総数の過半数の株式を購入した昭和61年3月に終了してい

る旨主張する。

しかしながら,ダイエーと被告との業務提携の後にされたダイエーによる

訴外会社と被告への資本参加は,本件フランチャイズシステムの事業を促進

させることを目的とするものであって,これを覆すことを目的とするもので

はないから,当時,実際に事業展開されていた本件フランチャイズシステム

31

の現状を前提とすれば,訴外会社と被告における資本関係の変遷があったか

らといって,両社の間に存在する権利義務関係に変動をもたらすようなもの

と解することはできない。

(2)そして,平成4年2月3日付けの訴外会社の社内文書(「サービスマーク

登録制度導入に対する対応について」と題する書面,甲29)については,

前記2(2)オのとおりであるから,本件黙示合意1ないし3の終了を示す

ものには当たらない。

また,ダイエーと原告との間の平成11年3月25日付け「株式譲渡等に

関する基本合意書」(甲30)によれば,第4条(譲渡代金)2項(「〔省

略〕前項の譲渡代金が〔省略〕次の事項を前提に決定されたものであること

を確認する。」)(3)号として,「丁〔訴外会社〕が,登録商標「ほっか

ほっか亭」を所有していること。」と規定されていることが認められるもの

の,この規定は昭和61年3月時点での本件黙示合意1ないし3の終了を何

ら裏付けるに足りるものではない。

(3)したがって,本件黙示合意1ないし3は,いまだ終了しておらず,被告と

訴外会社の権利義務関係を包括承継した原告との間で,なお存続しているも

のと認められる。

 結論

以上のとおりであるから,本訴請求については,その余を判断するまでもな

く理由がない。反訴請求については,主位的請求は理由がなく,予備的請求の

うち,本件商標権1ないし3についての使用権確認請求は理由があり,本件商

標権4についての使用権確認請求は理由がない。

よって,主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第47部

32

裁判長裁判官阿部正幸

裁判官平田直人

裁判官柵木澄子

33

商標目録1〔本件商標権1〕

商標登録第1559683号

出願日昭和53年5月2日

(商品の区分第32類)

(指定商品べんとう,その他本類に属する商品)

登録日昭和58年1月28日

登録商標

更新登録日平成5年11月29日,平成15年2月18日

書換登録日平成17年10月5日

商品等区分第29類,第30類,第31類,第32類

指定商品下記のとおり

食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,

加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干し

ひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,

とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果

実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュ

ー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物(第29類)

コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅ

うまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホット

ドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパ

ウダー,即席菓子のもと,酒かす(第30類)

食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜(「茶の葉」を除く。),

茶の葉,糖料作物,果実,コプラ,麦芽(第31類)

飲料用野菜ジュース(第32類)

34

商標目録2〔本件商標権2〕

商標登録第2645724号

出願日昭和59年1月19日

(商品の区分第32類)

(指定商品べんとう,その他本類に属する商品)

登録日平成6年4月28日

登録商標

更新登録日平成16年5月11日

書換登録日平成16年7月14日

商品等区分第29類,第30類,第31類,第32類

指定商品下記のとおり

食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,

加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干し

ひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,

とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果

実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュ

ー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物(第29類)

コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅ

うまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホット

ドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパ

ウダー,即席菓子のもと,酒かす(第30類)

食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜(「茶の葉」を除く。),

茶の葉,糖料作物,果実,コプラ,麦芽(第31類)

飲料用野菜ジュース(第32類)

35

商標目録3〔本件商標権3〕

商標登録第2706419号

出願日昭和59年1月19日

(商品の区分第32類)

(指定商品べんとう,その他本類に属する商品)

登録日平成7年4月28日

登録商標

更新登録日平成17年3月15日

書換登録日平成17年4月20日

商品等区分第29類,第30類,第31類,第32類

指定商品下記のとおり

食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,

加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干し

ひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,

とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果

実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュ

ー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物(第29類)

コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅ

うまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホット

ドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパ

ウダー,即席菓子のもと,酒かす(第30類)

食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜(「茶の葉」を除く。),

茶の葉,糖料作物,果実,コプラ,麦芽(第31類)

飲料用野菜ジュース(第32類)

36

商標目録4〔本件商標権4〕

商標登録第4845424号

出願日平成16年7月27日

商品等区分第16類,第20類,第29類,第30類,第32類

指定商品下記のとおり

登録日平成17年3月11日

登録商標

事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写

機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッ

チキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,

謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開

型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,

家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,

裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,

紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷した

くじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,

写真,写真立て(第16類)

海泡石,こはく,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院

用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),

貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),輸送用コンテナ(金属製のものを除

く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナッ

ト・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除

く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを

除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,

マットレス,麦わらさなだ,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,ストロ

37

ー,盆(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,ネームプレート及び標札(金属

製のものを除く。),旗ざお,うちわ,せんす,植物の茎支持具,愛玩動物用ベッ

ド,犬小屋,小鳥用巣箱,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受

け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),

買物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具

箱(金属製のものを除く。),タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),

家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,

ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工

池,葬祭用具,揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピ

ングバッグ,額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,し

だ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わ

ら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご(第

20類)

食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,

冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こん

にゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬

けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく(第29類)

アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香

料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,

香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,

アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉

まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオ

リ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒

かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン(第30

類)

ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜

38

ジュース(第32類)

39

標章目録

 HOKKA HOKKA TEI

40

被告商標目録1〔被告商標権1〕

商標登録第3069691号

出願日平成4年8月4日

商品等区分第42類

指定役務飲食物の提供

登録日平成7年8月31日

登録商標

更新登録日平成17年8月23日

41

被告商標目録2〔被告商標権2〕

商標登録第3093130号

出願日平成4年9月29日

商品等区分第42類

指定役務飲食物の提供

登録日平成7年11月30日

登録商標

〔Hマークの右縦棒の中に「HOKKA HOKKA TEI」の記載〕

更新登録日平成17年10月18日

42

被告商標目録3〔被告商標権3〕

商標登録第3108015号

出願日平成4年9月29日

商品等区分第35類

指定役務経営の診断及び指導

登録日平成7年12月26日

登録商標

更新登録日平成17年10月18日

43

被告標章目録4〔被告商標権4〕

商標登録第3269587号

出願日平成5年3月30日

商品等区分第35類

指定役務経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供

登録日平成9年3月12日

登録商標

〔Hマークの右縦棒の中に「HOKKA HOKKA TEI」の記載〕

〈以下,目録等省略〉

__

平成18年(ワ)第28616号損害賠償本訴請求事件 平成19年(ワ)第32052号商標使用権確認反訴請求事件8

(イ)「ほっかほっか亭地域本部契約書」(甲8)には,第1条(基本的確

認事項と解釈基準)と第3条(地域本部の権利範囲)に,地域本部とし

て,「ほっかほっか亭地区本部契約書」とほぼ同様の規定がされている。

ウ関連する書面の記載

平成4年2月3日付けの訴外会社の社内文書に「サービスマーク登録制

度導入に対する対応について」と題する書面(甲29)があり,これによ

ると,現状として,創業時以来の訴外会社や被告等の設立,本件商標1の

登録,ダイエーとの提携,持ち株構成等が図示された上,課題として,

「提携後,4社にわかれたが,商標権の帰属問題が総本部と未解決のまま

現状に致〔ママ〕り,総本部より解決要請あり。」と記載され,対応策と

して,「商標権は当社にて保有,サービスマークについて総本部と共有登

録を行なう。」などと記載されている。

(2)以下,検討する。

ア前記(1)の事実関係によれば,本件フランチャイズの創業者であるA

氏個人によって本件商標1が昭和53年5月2日に出願され,A氏らによ

り同年9月18日に設立された訴外会社と九州地域をテリトリーとする株

式会社ほっかほっか亭九州地域本部との間で本件フランチャイズ契約(地

域本部契約)が昭和55年5月に締結された後,本件商標1について,昭

和56年2月13日付け譲渡証に基づき,同年5月26日に出願人の名義

をA氏から訴外会社に変更する出願人名義変更届がされ,昭和58年1月

26

28日に商標登録がされている。

そして,この名義変更から登録までの間,昭和56年7月27日にA氏

らにより被告が設立され,同月31日と同年9月30日には,被告から株

式会社ほっかほっか亭九州地域本部に対して本件フランチャイズシステム

のマニュアル等が提供され,同年10月には,各地域本部,各地区本部か

らのロイヤリティの支払先が訴外会社から被告に変更されているから,本

件フランチャイズシステムにおけるマスターフランチャイザーとしての地

位については,被告の設立後ほどなくして,訴外会社から被告に移転した

ものと認められる。

イ本件商標1は,「べんとう」などを指定商品とする

なる登録商標であって,本件フランチャイズの名称をゴシック体を用いて

表示しており,本件フランチャイズシステムの運営や事業展開上,基本商

標となるべきものである。本件商標1は,A氏により,個人で出願された

後,本件フランチャイズ事業の拡大を企図して法人化するに際し,その出

願人名義が先行して設立されていた訴外会社に変更されて,後に訴外会社

を権利者として商標登録されており,他方,本件フランチャイズシステム

において,マスターフランチャイザーとしての地位や役割は,この間に設

立された「ほっかほっか亭総本部」たる被告が担うこととなったものであ

る。

もっとも,この当時,訴外会社も被告も,創業者であるA氏が支配株主

となって代表取締役を兼ねており(乙20〔本件商標1ないし3の出願人

代理人弁理士の陳述書〕,弁論の全趣旨),このような支配関係を前提と

すれば,本件フランチャイズシステムを運営する被告においては,本件商

標権1の権利者でなくとも,マスターフランチャイザーとして本件商標1

を現実に使用することができれば構わなかったのであって,また,そのよ

27

うに使用させることについても何ら支障がなかったものというべきである

(なお,この意味において,実際に,当時の旧商標法3条1項柱書の「自

己の業務に係る商品について使用をする」との要件の実務における運用が

訴外会社に本件商標権1を保有させる動機となり得たか否かは,さほど重

要な問題とならない。)。

そして,前記(1)の事実関係によれば,その後の本件フランチャイズ

システムの事業展開において,被告が現にマスターフランチャイザーの地

位にあるものとして本件フランチャイズ契約(地域本部契約,地区本部契

約)を重ねているから,被告が本件フランチャイズシステムのマスターフ

ランチャイザーの役割を果たすようになった当初の時点で既に,被告と本

件商標1の出願名義人たる訴外会社との間において,出願中あるいは登録

後の本件商標1について,そのような役割を果たすことを可能とする使用

権を設定する合意が黙示のうちに成立していたものと認めるのが相当であ

る。

そうすると,遅くとも,本件フランチャイズシステムにおけるマスター

フランチャイザーとしての地位が訴外会社から被告に移転した昭和56年

10月に,被告と訴外会社との間で,少なくとも,本件フランチャイズシ

ステムが存続することと被告がマスターフランチャイザーの役割を果たせ

ることを前提に,本件フランチャイズの基本商標として,無償かつ再許諾

権付きで独占的に使用させる内容をもって,本件商標権1の使用権を設定

する黙示の合意(本件黙示合意1)があったものと認められる。

ウ他方,本件商標2は,「べんとう」などを指定商品とする

なる登録商標であり,本件商標3も,「べんとう」などを指定商品とする

なる登録商標であって,いずれも,お釜の図形に「ほっかほっか亭」のロ

28

ーマ字表記を組み合わせた本件フランチャイズ商品のロゴであり,もとも

と,指定商品を同じくする本件商標1の連合商標として登録されたもので

ある(甲3の5~7)。

前記(1)の事実関係によれば,本件商標2及び3については,昭和5

9年1月19日に被告が自ら出願しながら,昭和60年10月28日に出

願人の地位を訴外会社に譲渡し,本件商標3につき昭和61年3月31日

に,本件商標2につき同年6月3日にそれぞれ出願人名義変更届がされて

いる。また,この間,昭和59年3月には,ダイエーと被告が業務提携を

行い,本件商標2及び3の出願人の地位の譲渡がされた昭和60年10月

28日の時点で,ダイエーが訴外会社の株式17%と被告の株式の15%

を取得していたものである。そうすると,本件商標2及び3につき出願人

の地位が譲渡された昭和60年10月28日の時点で,訴外会社と被告の

資本関係におけるA氏の優位性に変わりはないから,このような出願人の

地位の譲渡自体に特段の意味を窺うことはできない。また,これをもって,

原告の主張のように,ダイエーによる訴外会社の株式取得を踏まえて,本

件商標権2及び3の保有も訴外会社に集中させる意図であったとすること

を裏付ける証拠もない。

そうしてみると,本件商標2及び3については,基本的に本件商標1に

従属する関係に立つから,出願人の地位の譲渡がされた昭和60年10月

28日ころに,被告と訴外会社との間において,出願中あるいは登録後の

本件商標2及び3について,本件黙示合意1と同様の内容の使用権の設定

が黙示のうちに成立していたものと認めることが相当である(本件黙示合

意2及び3の成立)。

エなお,原告は,ダイエーが訴外会社の株式を保有していた平成4年2月

3日当時の訴外会社の社内文書の「サービスマーク登録制度導入に対する

対応について」と題する書面(甲29)の記載をもって,本件黙示合意1

29

が存在せず,本件商標権1の帰属問題が未解決であることを示すものであ

る旨主張する。

しかし,上記書面は,訴外会社の社内において,サービスマーク制度の

導入を契機として,本件商標権1の帰属関係を改めて問題とするものであ

って,現に,被告において,本件フランチャイズシステムのマスターフラ

ンチャイザーとして,本件黙示合意1に基づいて使用していることと矛盾

せず,本件商標1の権利者である訴外会社として,その使用関係について,

契約書面が存在しないことにより,社内的に説明できないことが正に問題

とされたにすぎないというべきである。原告の上記主張は採用することが

できない。

オところで,前記(1)の事実関係によれば,平成16年3月1日をもっ

て,原告は,訴外会社を吸収合併して訴外会社に帰属する権利義務の一切

を包括的に承継しているから,被告との関係において,本件黙示合意1な

いし3の権利義務を当然に引き継いでいることになる。

また,本件商標4は,平成16年7月27日に原告が出願して,平成1

7年3月11日に商標登録されたものであり,「カレー・シチュー又はス

ープのもと」,「茶」,「調味料」,「べんとう」など本件商標1と同一

ないし類似の商品を指定商品とする

なる登録商標であり,本件商標1から派生するデザインロゴであって,本

件商標1と類似するものであるから,本件商標権1の禁止権の範囲に属す

るものというべきである。

そうすると,原告は,本件黙示合意1の効力として,被告に対し,本件

商標権4に基づく独自の禁止権を主張することができないと解するのが相

当であるから,少なくとも,被告において,本件商標権4に基づき,本件

商標4と同一の被告標章1を含む被告各標章の使用を妨げられることはな

30

いものと認められる。しかし,これをもって,本件商標1よりも後に出願,

登録された本件商標権4自体について,本件黙示合意1に基づく使用許諾

があるとまでは認めることができない。

(3)まとめ

以上によれば,被告各標章については,これと類似性を有する本件商標権

1ないし3についての本件黙示合意1ないし3の存在により,訴外会社の権

利義務関係を包括承継した原告との間で,被告における使用が妨げられるこ

とはないものと認められる。

また,被告において,本件商標権1ないし3については,本件黙示合意1

ないし3に基づき,無償で独占的に使用する権利を有するものと認められる

ものの,本件商標権4については,このような権利を有すると認めることが

できない。

なお,被告は,被告における本件商標権1ないし3の使用権について,こ

れを専用使用権であると主張するが,黙示の合意に基づくものである以上,

その法的な性質としては,独占的な通常使用権にとどまるものというべきで

ある。

平成18年(ワ)第28616号損害賠償本訴請求事件 平成19年(ワ)第32052号商標使用権確認反訴請求事件7

〔被告の主張〕

九州地区における加盟店の1店舗・1か月あたりのフランチャイズロイヤリ

ティーのうちの被告に支払われる入金額,別紙損害金目録記載の加盟店数は認

め,その余はすべて否認ないし争う。

第4 当裁判所の判断

 争点(1)〔被告各標章の使用の意味〕について

(1)被告が,被告各標章について,別表1及び2記載の「品目等」欄の個々の

品目等の各行につき「ハークスレイ」,「京滋地区」,「秋田地区」,「青

森・岩手地区」欄の各列の「○」印のとおり,被告と本件フランチャイズ契

約を締結した地域本部,地区本部及びその傘下の加盟店を通じて,別表1及

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び2の「品目等」欄記載の品目等に付して,持ち帰り弁当の販売を行ってい

ることは,当事者間に争いがない(前記第2の1前提となる事実(3))。

なお,証拠(甲5の1~甲7の2,甲16~19,21~24,乙1の1

・2,乙14~16)及び弁論の全趣旨によれば,被告標章2は,専ら,被

告商標2又は被告商標4(以下これらを「Hマーク」ということがある。)

の右縦棒の中に白抜きなどのブロック体によるローマ字で表示されている。

(2)被告は,「弁当容器」(甲25)を除き,被告各標章を商品の標章等とし

て使用(商標法2条3項1号,2号,8号)しているものではない旨主張す

るので,別表1及び2記載の「品目等」欄の個々の品目等について検討する。

まず,「包装紙」(甲5の1),「持ち帰り用袋」(甲17の1・2),

「各種ソース類」(甲18の1・2),「箸(袋)」(甲24),「お手ふ

き」(甲16),「お茶(ペットボトル)」(甲22),「即席カップスー

プ(みそ汁など)」(甲20,21),「ゆずしょうゆ」(甲23)につい

ては,弁当の販売に際し,弁当とともに配布されて弁当の商品と一体となる

ものであり,あるいは,指定商品の「べんとう」に関連する指定商品の

「茶」,「カレー・シチュー又はスープのもと」,「調味料」として弁当と

ともに販売される商品であるから,商標法2条3項1号,2号の「商品又は

商品の包装に標章を付する行為」に該当するものと認められる。

次に,「メニューパンフレット」(甲7の2),「ホームページ」(甲7

の1),「CM」(甲19),「看板」(甲6),「ちらし」(甲5の2)

についてみると,このうちの「メニューパンフレット」,「ホームページ」,

「CM」,「ちらし」は,その具体的な態様に照らし,いずれも個々の弁当

の商品の宣伝や紹介を伴っていることが認められ,本件フランチャイズシス

テム自体あるいはその運営主体等だけを商品とは無関係に宣伝しているもの

ということはできない。したがって,これらは,いずれも,「商品〔省略〕

に関する広告,価格表〔省略〕に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又

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はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」

(商標法2条3項8号)に該当するものと認められる。

さらに,「看板」については,証拠(甲6)及び弁論の全趣旨によれば,

道路から駐車場スペースを隔てて立地する店舗建物の入り口上部の複数箇所

に,赤,オレンジの色彩を基調とした装飾をもって被告標章2の表示された

Hマークと被告標章1とが人目を惹くように掲げられ,駐車場案内の看板に

も同様のHマークと被告標章1が掲げられていること,このようなHマーク

等の表示は,駐車場の有無を除き,本件フランチャイズの加盟店として,ほ

ぼ統一されていることが認められる。そして,本件フランチャイズの加盟店

の店舗は,持ち帰り弁当を商品として販売するための店舗であることが明ら

かであって,取り扱う商品がほぼ限定されるものであるから,この表示は,

商品の出所を識別する機能を果たし得るものであって,弁当の商品に関連し

て使用されているということができる。したがって,「看板」もまた「商品

〔省略〕に関する広告〔省略〕に標章を付して展示〔省略〕する行為」(商

標法2条3項8号)に該当するものと認められる。

なお,被告の主張するように,「メニューパンフレット」,「ホームペー

ジ」,「ちらし」,「看板」,「包装紙」について,加盟店が本件フランチ

ャイズの一員であることを示し,本件フランチャイズ自体を表示する機能や

作用を果たすことがあったとしても,それによって,自他商品の識別機能が

減殺されるものではない。

(3)以上のとおり,被告における被告各標章の使用は,本件各商標権との関係

で,商標法2条3項1号,2号,8号のいずれかに該当するものである。

被告各標章を商品の標章等として使用しているものではないとの被告の主

張を採用することはできない。

 争点(2)〔本件各商標権の使用許諾合意〕について

(1)前記第2の1の前提となる事実に,証拠(甲4,8,29,30,乙10

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の1の1~乙13,19)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認め

られる。

ア本件各商標権に関する主要な経緯

(ア)昭和51年6月,A氏らが,「ほっかほっか亭」1号店を

埼玉県草加市

に開店した。(争いがない)

(イ)昭和53