〔被告の主張〕
九州地区における加盟店の1店舗・1か月あたりのフランチャイズロイヤリ
ティーのうちの被告に支払われる入金額,別紙損害金目録記載の加盟店数は認
め,その余はすべて否認ないし争う。
第4 当裁判所の判断
1 争点(1)〔被告各標章の使用の意味〕について
(1)被告が,被告各標章について,別表1及び2記載の「品目等」欄の個々の
品目等の各行につき「ハークスレイ」,「京滋地区」,「秋田地区」,「青
森・岩手地区」欄の各列の「○」印のとおり,被告と本件フランチャイズ契
約を締結した地域本部,地区本部及びその傘下の加盟店を通じて,別表1及
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び2の「品目等」欄記載の品目等に付して,持ち帰り弁当の販売を行ってい
ることは,当事者間に争いがない(前記第2の1前提となる事実(3))。
なお,証拠(甲5の1~甲7の2,甲16~19,21~24,乙1の1
・2,乙14~16)及び弁論の全趣旨によれば,被告標章2は,専ら,被
告商標2又は被告商標4(以下これらを「Hマーク」ということがある。)
の右縦棒の中に白抜きなどのブロック体によるローマ字で表示されている。
(2)被告は,「弁当容器」(甲25)を除き,被告各標章を商品の標章等とし
て使用(商標法2条3項1号,2号,8号)しているものではない旨主張す
るので,別表1及び2記載の「品目等」欄の個々の品目等について検討する。
まず,「包装紙」(甲5の1),「持ち帰り用袋」(甲17の1・2),
「各種ソース類」(甲18の1・2),「箸(袋)」(甲24),「お手ふ
き」(甲16),「お茶(ペットボトル)」(甲22),「即席カップスー
プ(みそ汁など)」(甲20,21),「ゆずしょうゆ」(甲23)につい
ては,弁当の販売に際し,弁当とともに配布されて弁当の商品と一体となる
ものであり,あるいは,指定商品の「べんとう」に関連する指定商品の
「茶」,「カレー・シチュー又はスープのもと」,「調味料」として弁当と
ともに販売される商品であるから,商標法2条3項1号,2号の「商品又は
商品の包装に標章を付する行為」に該当するものと認められる。
次に,「メニューパンフレット」(甲7の2),「ホームページ」(甲7
の1),「CM」(甲19),「看板」(甲6),「ちらし」(甲5の2)
についてみると,このうちの「メニューパンフレット」,「ホームページ」,
「CM」,「ちらし」は,その具体的な態様に照らし,いずれも個々の弁当
の商品の宣伝や紹介を伴っていることが認められ,本件フランチャイズシス
テム自体あるいはその運営主体等だけを商品とは無関係に宣伝しているもの
ということはできない。したがって,これらは,いずれも,「商品〔省略〕
に関する広告,価格表〔省略〕に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又
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はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」
(商標法2条3項8号)に該当するものと認められる。
さらに,「看板」については,証拠(甲6)及び弁論の全趣旨によれば,
道路から駐車場スペースを隔てて立地する店舗建物の入り口上部の複数箇所
に,赤,オレンジの色彩を基調とした装飾をもって被告標章2の表示された
Hマークと被告標章1とが人目を惹くように掲げられ,駐車場案内の看板に
も同様のHマークと被告標章1が掲げられていること,このようなHマーク
等の表示は,駐車場の有無を除き,本件フランチャイズの加盟店として,ほ
ぼ統一されていることが認められる。そして,本件フランチャイズの加盟店
の店舗は,持ち帰り弁当を商品として販売するための店舗であることが明ら
かであって,取り扱う商品がほぼ限定されるものであるから,この表示は,
商品の出所を識別する機能を果たし得るものであって,弁当の商品に関連し
て使用されているということができる。したがって,「看板」もまた「商品
〔省略〕に関する広告〔省略〕に標章を付して展示〔省略〕する行為」(商
標法2条3項8号)に該当するものと認められる。
なお,被告の主張するように,「メニューパンフレット」,「ホームペー
ジ」,「ちらし」,「看板」,「包装紙」について,加盟店が本件フランチ
ャイズの一員であることを示し,本件フランチャイズ自体を表示する機能や
作用を果たすことがあったとしても,それによって,自他商品の識別機能が
減殺されるものではない。
(3)以上のとおり,被告における被告各標章の使用は,本件各商標権との関係
で,商標法2条3項1号,2号,8号のいずれかに該当するものである。
被告各標章を商品の標章等として使用しているものではないとの被告の主
張を採用することはできない。
2 争点(2)〔本件各商標権の使用許諾合意〕について
(1)前記第2の1の前提となる事実に,証拠(甲4,8,29,30,乙10
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の1の1~乙13,19)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認め
られる。
ア本件各商標権に関する主要な経緯
(ア)昭和51年6月,A氏らが,「ほっかほっか亭」1号店を 埼玉県草加市
に開店した。(争いがない)
(イ)昭和53年4月に本件フランチャイズシステムが発足して,同年5月
2日にA氏が本件商標1を出願し,同年9月18日,A氏らにより,訴
外会社(株式会社ほっかほっか亭)が設立された。(争いがない,乙1
0の1の1・2)
(ウ)昭和55年4月に株式会社ほっかほっか亭九州地域本部が設立され,
同年5月,株式会社ほっかほっか亭九州地域本部と訴外会社との間で地
域本部契約が締結されて,同年7月に株式会社ほっかほっか亭九州地域
本部が「ほっかほっか亭」九州1号店を 福岡市
弁論の全趣旨)
(エ)昭和56年5月26日,本件商標1について,同年2月13日付け譲
渡証に基づき,出願人の名義をA氏から訴外会社に変更する旨の商標登
録出願人名義変更届が提出された。(争いがない,乙10の2・3)
(オ)昭和56年7月27日,A氏らが被告を設立し(争いがない),同月
31日と同年9月30日,被告から株式会社ほっかほっか亭九州地域本
部に対して本件フランチャイズシステムのマニュアル等が提供され(乙
19,弁論の全趣旨),同年10月には,各地域本部,各地区本部から
のロイヤリティの支払先が訴外会社から被告に変更された(乙13,弁
論の全趣旨)。
(カ)昭和58年1月28日,本件商標1が登録され,昭和59年1月19
日に被告が本件商標2及び3を出願した。(争いがない,乙11の1の
1・2,乙12の1の1・2)
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(キ)昭和59年3月,ダイエーが被告と業務提携をし,昭和60年3月に
訴外会社の株式17%と被告の株式15%を取得した。(争いがない)
(ク)昭和60年5月,株式会社ほっかほっか亭九州地域本部と訴外会社と
の間の地域本部契約が,契約の一方当事者を被告に変更した上更新され
た。(争いがない)
(ケ)昭和60年10月28日,本件商標2及び3についての出願人の地位
が被告から訴外会社に譲渡された。(争いがない,乙11の3,乙12
の3)
(コ)昭和61年3月,ダイエーが訴外会社について50%以上を出資して
子会社化するとともに,ダイエーが被告への出資比率を30%に引き上
げた。(争いがない)
(サ)昭和61年3月31日,本件商標3について,昭和60年10月28
日付け譲渡証に基づき,出願人の名義を被告から訴外会社に変更する旨
の商標登録出願人名義変更届が提出された。(争いがない,乙12の2
・3)
(シ)昭和61年6月3日,本件商標2について,昭和60年10月28日
付け譲渡証に基づき,出願人の名義を被告から訴外会社に変更する旨の
商標登録出願人名義変更届が提出された。(争いがない,乙11の2・
3)
(ス)昭和62年6月,原告の商号変更前の株式会社タイヨーが株式会社ほ
っかほっか亭九州地域本部を吸収合併した。(争いがない)
(セ)平成2年12月,原告が商号を現在の「株式会社プレナス」に変更し
た。(争いがない)
(ソ)平成4年12月,被告が訴外会社との間で訴外会社をフランチャイジ
ーとする長野地区本部の新規契約を締結した。(争いがない)
(タ)平成6年1月,被告が訴外会社との間で契約書の取交しをしていなか
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った東京,埼玉・群馬,北海道地区につき地区本部契約書を取り交わし
た。(争いがない)
(チ)平成6年4月28日,本件商標2が登録され,平成7年4月28日,
本件商標3が登録された。(争いがない)
(ツ)平成9年11月30日,被告が訴外会社との間で訴外会社をフランチ
ャイジーとする山梨地区本部の新規契約を締結した。(争いがない)
(テ)平成11年4月,原告がダイエーから被告の株式44.4%及び訴外
会社の株式85.2%を取得した。(争いがない)
(ト)平成11年8月,被告が訴外会社との間で訴外会社をフランチャイジ
ーとする静岡地区本部の新規契約を締結した。(争いがない)
(ナ)平成12年3月,被告が訴外会社との間で訴外会社をフランチャイジ
ーとする山形地区本部,宮城地区本部及び福島地区本部の新規契約を締
結した。(争いがない)
(ニ)平成12年10月,原告がA氏らから訴外会社の株式を100%取得
した。(争いがない)
(ヌ)平成13年11月,A氏らが,千葉・神奈川地区本部のフランチャイ
ジーである(株)ライズの所有株式をすべて原告に譲渡した。(争いが
ない)
(ネ)平成14年11月,訴外会社が(株)ライズを吸収合併した。(争い
がない)
(ノ)平成16年3月1日,原告が訴外会社を吸収合併した。
(ハ)平成16年7月27日に原告が本件商標4を出願し,平成17年3月
11日,本件商標4が登録された。(争いがない)
イ本件フランチャイズ契約書の規定
(ア)「ほっかほっか亭地区本部契約書」(甲4)には,「第1条(基本的
確認事項と解釈基準)」として,「総本部の所有するトレードマーク・
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サービスマーク・シンボル・トレードネームによって同業他社と識別さ
れている。」と規定され,「第3条(地区本部の権利範囲)」として,
「2.地区本部は,前述の各種マニュアル・統一書式・各種資料・トレ
ードマーク・サービスマーク・シンボル・トレードネームを本契約で定
められた方法,範囲内で使用することができる。〔省略〕」と規定され
ている。






