(エ) 原告ブランド及び被告ブランド以外における「clear」ないし
「クリア」の使用例について
a 平成19年5月29日時点で,「clear」「CLEAR」を語
頭に有する登録商標及び商標登録出願は全区分で合計811件(乙
8),「クリア」を語頭に有する登録商標及び商標登録出願は,全区
分で合計936件(乙9)存在する。
また,被服や服飾品を指定商品に含む商標では,「clear-f
ort」(平成19年3月30日登録。乙67の各号。その実際の使
用状況として乙68。),「クリアスカイ」(昭和61年6月27日登
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録。乙69の1。その実際の使用状況として乙69の2)があり,こ
のほかに,被告の関連会社である株式会社イネドが有する「CLEA
RIMPRESSION 」(登録日平成16年8月20日。甲81の
各号)がある。
なお,株式会社イネドは,平成18年11月7日及び平成19年4
月1日に被告標章2を商標登録出願したが,前者の出願に対して特許
庁は,平成19年8月30日,被告標章は原告との間で出所について
誤認混合を生じさせるおそれがあること(商標法4条1項15号)及
び本件原告商標等と類似すること(同4条1項11号)を理由として
拒絶理由通知が発した(甲88の各号)。
b 一般のブログにおいて,「クリア」の語は,「2つの目標をクリ
ア」,「ここまでの条件をクリアしたら」というように,目標を達成
することの意味で用いられることが多い(乙125)。
また,ファッション誌において「クリア」の語は,「クリアアク
セ」,「クリアな石」,「クリアーなイメージのあるニット」などのよ
うに,「透明な」,「透明感のある」という意味で用いられている(乙
55の各号)。
イ上記ア(ア)で認定した事実によれば,原告ブランド及びその店舗は,平
成12年3月に登場した後,折からの「神戸エレガンス」「神戸系」ファ
ッションの流行に乗る形で,同年12月以降,大手のファッション誌で頻
繁に紹介されるようになり,それらファッション誌の独自記事の中で,
「関西で大ブレイク」とか「関西カリスマショップ」などとして紹介され
るに至り,原告店舗での売上高も,他ブランドを含め平成12年度(初年
度)の3億円が翌平成13年度には3倍以上の11億円,さらに平成15
年度には更に約2倍の20億5000万円と急激に増加したことが認めら
れ,これらの事実によれば,遅くとも被告ブランドの商品の販売が開始さ
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れた平成16年秋の時点では,上記ファッション誌の主たる読者層である
10代後半から20代前半の女性の間において,「Clear」との原告
店舗の名称は,関西地方にある「神戸エレガンス」「神戸系」のセレクト
ショップとして,また原告ブランドは,その原告が提供する服飾のブラン
ドとして,広く知られるに至っていたと認められる。
これに対し被告は,原告は原告ブランドの専門店ではなく他ブランドの
商品も取り扱うセレクトショップであること,本件原告商標が日本国周知
著名商標集に登載されていないこと(乙19),原告や原告ブランドが繊
研新聞社が発表する各年のレディスアパレル業績ランキングやブランド年
鑑に掲載されておらず,アパレル業界の売上高ランキングでは180~2
00位程度に対応する売上高にすぎないこと(乙29ないし39,70),
広告費も少額であること,雑誌で取り上げられたといっても多数掲載され
る商品の一提供元として小さく表示される例が多いこと,原告の店舗展開
は関西を中心にしているにすぎないこと等を指摘して,原告ブランドの周
知性を否認する。
しかし,被告が指摘する売上高や広告費の多寡は,ブランドの周知性を
検討する一資料にすぎず,絶対的なものではない。日本国周知著名商標へ
の登載の有無も同様である。前記のように原告ブランドは,JJ誌,Ca
nCam誌,ViVi誌等の最大手のファッション誌の独自記事で広く取
り上げられており,その取り上げ方も,単に掲載商品の提供元というだけ
でなく,原告の店舗と原告ブランドの双方に注目し,積極的に読者に紹介
する形で大きく取り上げられることも多い。このように一つならぬ大手フ
ァッション誌が,原告ブランド及びその店舗のことを独自に取り上げ,し
かも「関西で大ブレイク」とか「関西カリスマショップ」といった読者の
目を惹く紹介の仕方をしており,それに対応して売上高も急速に伸びたこ
とからすると,原告ブランド及びその店舗の双方は,それらファッション
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誌での紹介を通じて,急速に需要者の間に知られるようになったものと認
めるのが相当である。
もっとも,それら雑誌での原告ブランドの紹介のされ方は,ほとんどの
場合「関西のブランド」と, しての紹介をされており,店舗展開も主とし
て京阪神地区(一部名古屋地区も)にとどまっており,そのファッション
も「神戸エレガンス」,「神戸系」に分類されている。また,原告ブラン
ド自身が紹介されることも多いが,他ブランドの商品も扱うセレクトショ
ップとして紹介されることも多い。このことからすると,原告ブランドは,
前記認定のとおり,関西地方にある「神戸エレガンス」,「神戸系」のセ
レクトショップ及びそこが提供する服飾のブランドという個性をもって,
広く知られるに至っていたものと認めるのが相当である。
ウそこで次に,上記のように原告ブランドが広く知られていることから,
被告標章2ないし5の要部が「CLEAR」であると認められるか