ア原告ブランドに関する宣伝・広告についての事情
(ア) 雑誌への掲載
平成12年夏,原告ブランドが10代から30代の若い女性を読者層
とするファッション雑誌であるJJ誌(光文社発行,発行部数約36万
部,平成14年時70万部。)や「CanCam」(株式会社小学館発
行,同年の発行部数71万部。以下「CanCam誌」という。)に取
り上げられて大反響を呼び,問合せの電話が殺到するなどして大人気と
なった。その後は,上記ファッション誌のみならず,「Ray」(株式
会社主婦の友社発行,現在発行部数24万部。以下「Ray誌」とい
う。),「ViVi」(株式会社講談社発行,現在発行部数45万部。以
下「ViVi誌」という。),「CLASSY」(光文社発行,現在発行
部数21万部。以下「CLASSY誌」という。)等の女性ファッショ
ン雑誌に毎号のように商品が掲載されるようになり,時には1頁に大き
く特集が掲載されるようになった。例えば,平成13年12月には別冊
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JJ誌の「可愛ゴーキーワード事典」に「clear(クリア)」が載
り,「神戸ガールの好みのツボをしっかりおさえたオリジナルやセレク
トものが確実に手に入る頼もしいショップです。オリジナルは安可愛な
のもなお嬉しい。」と紹介されたり,JJ誌平成14年4月号では「J
J用語」大辞典の中で,「JJ読者なら常にチェックすべきショップ8
店」に選ばれるなど,関西を代表するブランドとして,10代後半から
30代前半の女性を中心に全国的なブームとなった。また,平成13年
以降,光文社発行の雑誌「JJ Bis」(以下「JJbis誌」とい
う。)に取材協力費を支払って毎号原告ブランドの商品を掲載した。
ファッションに関心の強い10代から30代の女性の多くはこれらの
ファッション雑誌を購読し,気に入った商品やブランドを確認してから
実際の購入のために店に足を運ぶというのが実情なのであり,いうまで
もなくこれらのファッション雑誌は全国の読者に対し極めて強い影響力
を有している。しかも,原告ブランドが掲載されている記事のほとんど
は広告記事ではなく,雑誌社が自らの判断で読者の関心が高いと思われ
る商品・ブランドを取り上げて掲載する,いわゆる「編集ページ」に係
るものであり,広告記事に比べ客観性が高く説得力があるため,読者の
関心も広告記事よりも高く,継続的に掲載された場合には広告記事より
も宣伝効果が高い。
なお,雑誌記事の中には,被告が主張するように原告が経営するセレ
クトショップに関するものもあるが,原告ブランドの商品の大部分は原
告の店舗で販売されるのであり,セレクトショップとしての「clea
r」の名称がこれらの記事により読者に広く認識されることになること
により,ひいては原告ブランドが著名性・周知性を獲得することに大い
に貢献しているのである。なお,原告における原告ブランドの商品とそ
の他のセレクト商品との売上げの割合は各年度によってかなりばらつき
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があるが,平成14年以降は概ね8:2~6:4であり,常に原告ブラ
ンドの商品の方が他ブランドの商品よりも売上げが上回っている状況で
ある。また,雑誌記事の中には,原告が原告ブランドの姉妹ブランドと
して展開する「clear crea」等の商品が掲載されたものもあ
るが,これらの記事も読者の目に触れることにより少なからず原告ブラ
ンドの著名性・周知性獲得に貢献しているといえる。
また,雑誌記事の中には,被告が主張するように原告ブランドの商品
の写真の横の説明書部分に小さく原告ブランドの名前が記載されるにと
どまるものもある。しかしながら,原告ブランドに関する記事745件
のうち1頁中の面積にして10%を超えるものが約半数,25%を超え
るものが約2割を占めている。また,これらのファッション雑誌の読者
は気に入った商品やブランドを確認するために購読しているのであるか
ら,文字自体が小さくともそのブランド名の注目度は決して低くはない。
また,たとえ1つ1つの記事に掲載される本件原告商標の文字は小さく
とも,そのような記事が複数の頁,号に繰り返し掲載され,繰り返し読
者の目にとまることにより本件原告商標の認知度は自ずと高まるのであ
る。しかも,そもそも原告ブランドが掲載された記事には本件原告商標
のロゴが大きく掲載されたものが285件もあり,特集記事的に扱われ
るものも多い。これらは単体の記事だけでも十分に読者に原告ブランド
を認識させるに足るものである。
また,被告は,原告ブランドの商品の雑誌への掲載点数が平成13年
以降減少傾向にあることを指摘する。しかし,平成13年は原告ブラン
ドが立ち上がって間もなく大ブレイクした時期なのであり,その時期に
編集ページの記事が集中し,その後徐々に掲載ペースが落ち着いてくる
のは当然である。むしろ,あくまで雑誌社側にイニシアチブのある編集
ページにおいて1年間に600点以上の商品が掲載されることの方が極
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めて異常なのである。