(イ) ウエスコット(被告は,同社の法務担当の従業員である。)が,
本件商標の通常使用権者として,本件商標を使用してきたことは,甲
8(平成19年7月4日付け審判事件弁駁書)における「さらに,日
本国内においては,従来から現在に至るまで,株式会社ウエスコット
が総代理店として,本件商標を使用してきたのであって,ドイツの法
人である被請求人は,専ら外国で本件商標の使用をしていたに過ぎま
せん。このことは,平成7年3月頃に,特許庁へ商品カタログを提供
するに際して,被請求人が商品カタログ等を所有していなかったため
に,株式会社ウエスコットが商品カタログを提供して特許庁に提出し
た事実からも明らかです。」との被告の主張からも明らかである。
この点について,被告は,平成11年(1999年)に,ボンテラ
・アメリカ・インク(以下「ボンテラアメリカ」という。)が買収さ
れて消滅した後は,ウエスコットは本件商標の通常使用権者ではない
と主張する。しかし,ボンテラアメリカは,本件商標の商標権者であ
る原告の関連会社であり,原告の代表者であるAは,ボンテラアメリ
カの役員でもあった。ウエスコットが本件商標の使用を平穏に継続で
きたのは,商標権者の許諾を受けたことに起因するのであり,かかる
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事情はボンテラアメリカの存続のいかんに関係しない。
イインターネット上のウェッブサイトによる使用
審決は,インターネット上のウェッブサイト(甲3,4,6〔審決に
おける乙2,3,5〕参照)により,本件商標が継続的に使用されたと
の事実を否定した。
しかし,以下のとおり,審決の上記認定は誤りである。
上記の各ウェッブサイトが,本件審判請求の後に作られたものである
との証左はなく,これらのサイトに掲載された写真からも,本件商標の
指定商品が継続して販売されており,本件商標が当該商品について継続
して使用されてきたことは明らかである。
ウその他の主張
ウエスコットが,「ボンテラアメリカの総代理店」として本件商標の
使用を継続的に行ってきたことは,被告の提出に係る乙5(国土交通省
が管理する新技術情報提供システム(NETIS)に登録された技術名
称「ボンテラ」の掲載ページ)の記載からも明らかである。
(2) 取消事由2(権利濫用に関する判断の誤り)
審決は,本件審判の請求が権利の濫用であるとすべき事情は認められな
いと判断した。
しかし,以下のとおり,審決の上記判断は誤りである。
ウエスコットは,本件商標を付した商品を,「輸入総代理店(総輸入
元)」と称して,日本国内で販売し続けていたにもかかわらず,①ライセ
ンス料の支払を免れるとともに,②別紙商標目録2記載の構成の商標につ
いて,自ら商標登録を受けるため,登録出願(商願2007-5969
号,以下「別件出願」という。)をし(甲9),③原告による日本国内で
の商標の使用を妨げることを意図して,その従業員である被告に本件審判
を請求させたものであり,かかる行為は,公正な取引秩序を乱し,公序良
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俗に反するものである。
したがって,被告の本件審判請求は,権利の濫用に該当するというべき
である。
なお,被告は,登録商標の不使用による取消審判は何人も請求すること
ができるから,権利の濫用に該当しない旨主張するが,上記のとおり,本
件審判請求については,これを権利の濫用とすべき格別の事情があるか
ら,被告の主張は失当である。






