知的財産権やビジネス・企業法務Q&A続々更新!大阪弁護士会所属弁護士川内康雄 顧問弁護士
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法務ネット」管理人川内康雄はコンピューターやインターネット情報セキュリティ等のIT著作権特許権商標権等の知的財産権を取り扱う大阪弁護士会所属の弁護士です。各種ビジネス企業法務個人情報保護法ベンチャー企業支援にも力を入れています。
 詳しくは下記メニューより川内康雄の自己紹介をご覧ください。

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専門分野について

こちらのホームページでは、日本弁護士連合会が定める「弁護士の業務広告に関する規定」及び「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針」に基づき、当職が特に関心をもって取り扱っている業務分野につきましても、「専門」との表現を差し控えさせていただいております。

取扱分野・業務内容

当職の取扱分野はインターネットWebオープンソース(リナックス・GPL等)情報処理情報システムシステム開発ソフトウェア等のITサイバー法著作権等の知的財産権、個人情報保護情報セキュリティ情報漏洩時対応民法商法会社法)の民事法令・労務管理労働問題その他のビジネス・企業法務一般です。主な業務内容は契約書覚書利用規約約款ライセンス等の法的書類作成、法律相談コンプライアンスチェック(合法性・違法性鑑定)プライバシーポリシー情報セキュリティポリシーコンプライアンスプログラム等の社内規程・文書作成支援・公益通報者保護法内部通報制度受付窓口・裁判訴訟・調停)・トラブルクレーム等の紛争対応です。詳しくは弁護士川内康雄の取扱分野・業務内容をご覧ください。

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当事務所のパートナー弁護士である大阪弁護士会所属の宮脇常亨弁護士がホームページを開設しました。過払金請求・債権回収及び過払い金返還請求・自己破産を中心とした債務整理を得意としています。顧問弁護士としての活動も行っています。各種の情報が満載されておりますので、是非一度ご覧ください。

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技術的保護手段の回避 : DVDをリッピングソフトを使用してコピーすることは違法ですか?

マクロビジョン回避の部分について不正確な表現がありましたので修正しました(2008.11.1)

結論として現在の法令を前提としては直ちには違法とは言えないという結論になります。
著作権法は著作権者に複製権という権利を与えており(同法21条)、著作権者の許諾(同法63条)無しに著作物を複製すると著作権を侵害することになります。著作権を侵害すると、民事的には差止(同法113条)や損害賠償請求の対象となり(民法709条)、刑事的には罰則の対象となります(著作権法119条)。
もっとも著作物を個人的な用途に使用するためのみの目的で複製する場合には、私的複製として、著作権者の許諾を得る必要がありません(同法30条)。たとえばレンタルCDショップでCDを借りてきて、自分で聞くために、カセットテープにダビングしたり、ハードディスクにリッピングしても、著作権の侵害とはなりません。一方、他人に譲渡する目的でダビング、リッピングすることは、私的複製に該当しませんので、著作権侵害となります。
CDのコピーに際してはこのように単に私的複製の規定が適用されることにより適法という結論になります。一方、DVDのコピーは事情がもう少し複雑です。
DVDをリッピングしてコピーを作成するとう作業は、分析すると、
1 DVDのコンテンツにかけられたCSS(Content Scrambling System)を解除する。2 ソフトによってはマクロビジョンも解除する。
3 CSSが解除されたコンテンツをハードディスクにコピーする。
4 ハードディスクにコピーされたコンテンツをDVD-R等に書き込む。
という行為に分けることができます。
CSSはコンテンツへのアクセスコントロール技術です。アクセスコントロール技術の回避は、不正競争防止法2条1項10号及び11号、同条5項により不正競争行為とされており、差止(同法3条)、損害賠償(同法4条)の対象とされています。もっとも正確には、対象となる行為は、アクセスコントロール技術の回避を可能とする装置又はプログラムの譲渡等のみです。アクセスコントロール技術の回避を可能とする装置またはプログラムの譲渡を受けることや、それらの使用は対象となっていません。そのため、CSSを解除するプログラムをダウンロードしたり、実際に使用してCSSを解除したとしても、不正競争行為にはなりません。一方、国内でCSSを解除するプログラムを譲渡、販売、公衆送信(ネット上でダウンロード可能なじょうたいにすること)すれば、これらの行為が有償であるか無償であるかを問わず、不正競争行為となります。
次にマクロビジョンですが、これはコンテンツに対するコピーコントロール技術です。先の不正競争防止法の各条項はコピーコントロール技術の回避も対象としていますが、規制の内容は同じで、コピーコントロール技術を回避の回避を可能訴する装置の譲渡を受けたりそれらを使用することは不正競争行為にはなりません。
コピーコントロール技術は著作権法も保護の対象としています(同法30条1項2号)。もっとも規制の対象となっている行為は「コピーコントロール技術を回避することによって可能となる複製」です。そのためDVDのリッピングしたとしても、リッピング自体は、もともとマクロビジョンを解除しなくても可能な複製行為ですので、「コピーコントロール技術を回避することによって可能となる複製」には該当しません。ただ同条は、「その結果に障害が生じないようになつた複製」も禁止しているため、マクロビジョンを解除して行う複製行為は私的複製にはならない事になります。なおマクロビジョンが解除されたコンテンツをコンポジット出力し、VHSのテープなどにダビングすることは、マクロビジョンを解除したことによって可能となる複製行為ですから規制の対象となります。
なおCSSやマクロビジョンの解除はDVDに収録されていたデータをビットデータとして改変していることになりますので、著作権法20条の同一性保持権を侵害しないかが問一応題にはなります。しかし同一性保持権の趣旨は著作者が創作したコンテンツの内容を保持することです。CSSやマクロビジョンを解除したとしても、対象となっている映像コンテンツに変更は加えられませんので、同一性保持権の侵害にはならないと考えられているようです。これはCDのデータをMP3に変換する際にも妥当します。
CSSないしはマクロビジョンが解除された後のハードディスクまたはDVD-R等へのコピーは私的複製となりますので、著作権者の複製権を侵害することにはなりません。
以上、リッピングツールをダウンロードし、マクロビジョンの解除を行わず、個人があくまでも私的な目的で使用してリッピングを行う限り、法律には違反しないということになります。

著作権法

(同一性保持権)
第二十条  著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2  前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
一  第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
二  建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
三  特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
四  前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変


(複製権)
第二十一条  著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

(私的使用のための複製)
第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二  技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
2  私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

第百十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一  著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者又は第百十三条第三項の規定により著作者人格権、著作権、実演家人格権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)
二  営利を目的として、第三十条第一項第一号に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者

第百二十条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化した者
二  業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避を行つた者
三  営利を目的として、第百十三条第三項の規定により著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

不正競争防止法

(定義)
第二条  この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
十  営業上用いられている技術的制限手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために用いているものを除く。)により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置(当該装置を組み込んだ機器を含む。)若しくは当該機能のみを有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能のみを有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為
十一  他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために営業上用いている技術的制限手段により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置(当該装置を組み込んだ機器を含む。)若しくは当該機能のみを有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を当該特定の者以外の者に譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能のみを有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為
5  この法律において「技術的制限手段」とは、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)により影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録を制限する手段であって、視聴等機器(影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録のために用いられる機器をいう。以下同じ。)が特定の反応をする信号を影像、音若しくはプログラムとともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は視聴等機器が特定の変換を必要とするよう影像、音若しくはプログラムを変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。