質問:
個人でヒューマノイド型のロボットを製作している者です。かなり高性能なロボットが完成したのですが、この際、見た目も特徴のあるものにしたいと思い、有名なアニメのロボットのデザインを使ってシェルを作ろうと思っています。このロボットを販売するつもりは無いので問題は無いと考えているのですがいかがでしょうか。
回答:
結論としては、個人で利用するロボットであれば、法令に違反となる可能性は低いでしょう。
キャラクターデザインに関しては、多くの裁判例が存在しており、著作権による「キャラクターの権利」の保護が確立しています。
たとえば「ゲッター・ロボ」と「グレートマジンガー」の著作権を有する東映が、東映に無断でソフトビニール人形を作成している業者に対して、これを差し止めることを求めた仮処分事件において、東京地方裁判所は、昭和50年3月31日の決定で、製造販売を禁止する命令を下しました。
また東京地方裁判所昭和52年3月30日判決は、フジテレビが著作権を有している「たいやきくん」について、フジテレビに無断で「たいやきくん」のぬいぐるみを作成した業者に対し、著作権を侵害したとして損害賠償を認めました。
このように平面的なキャラクターデザインについて、著作権者に無断で立体物を作成すること(著作権法上「翻案」といいます)は、著作権を侵害するものと一般的に判断されています。
そして法律上、著作権の侵害行為に際して対価が伴っていなくても、著作権侵害となります。
もっとも著作権法には私的使用の場合の例外が定められており(同法30条)、私的利用の場合には翻案も可能とされています(同法43条1項)。「私的利用」とは個人的に又は家庭内やこれに準ずる限られた範囲での利用をいいます。
ただしそのロボットのデザインや名称が商標・意匠登録されている場合には注意が必要です。名称やデザインが商標・意匠登録されている場合、商標法、意匠法に基づき、権利者は無断で名称やデザインを利用する者に対して差止や損害賠償を請求することができます。著作権法と異なり、商標法・意匠法には私的使用に関する例外が定められていません。そのためたとえ個人的な利用であっても権利侵害となってしまう可能性があります。
なお著作権、商標権、意匠権を侵害した場合には刑事罰も定められていますので、権利侵害とならないよう、十分に注意しなければなりません。
またたとえ個人的に作成したロボットであっても、ROBO-ONEに出場するなど、公衆の面前にさらされることとなる場合には、トラブルを避けるために、予め権利者にその旨を告知した方が望ましいでしょう。






