質問:
当社は産業用ロボットの開発企業です。当社のライバル会社が販売しているロボットの完成度が高く、当社にとっては大きな脅威となっています。対抗する製品を開発するにあたり、このライバル会社のロボットを購入してきて分解し、構造やエンベッドソフトウェアの内容を分析したいと考えております。このようなことを行っても法的には問題ないのでしょうか。
回答:
ご質問の問題は、いわゆる「リバースエンジニアリング」の可否として論じられているものです。
現行法上、リバースエンジニアリングを行うことは特に禁じられていません。産業政策上、リバースエンジニアリングを禁止してしまうと、研究開発による技術促進を逆に阻害してしまうと考えられているからです。
もっともリバースエンジニアリング自体は禁止されていなくても、結果として、他社の知的財産権を侵害してしまうと、損害賠償や刑事罰を受けることがあります。
例えば、リバースエンジニアリングの結果、そのロボットの特徴的な機構を発見し、その機構を利用したロボットを開発した場合に、その機構が特許を受けているものであった場合には、特許権を侵害したことになります。
またエンベッドチップからソフトウェアを吸い出し、逆アセンブルしてコードを生成した場合、これを参考にして新しいソフトウェアを作った場合には、著作権(複製権)を侵害したと主張されてしまう可能性があります。もちろんそのままコピーして利用した場合には、直ちに著作権侵害となります。
そのためリバースエンジニアリングを行う場合には、その成果の利用が、相手方の権利を侵害していないか、十分に注意しなければなりません。特許に関しては弁理士に依頼するなどして、特許発明や出願中の発明との抵触の調査が必要になります。ソフトウェアについては、解析を行う技術者が仕様書を作成し、新たなコーディングを行う技術者がその仕様書のみを参考にしてコーディングを行う(クリーンルーム方式)ことが必要でしょう。






