知的財産権やビジネス・企業法務Q&A続々更新!大阪弁護士会所属弁護士川内康雄 顧問弁護士
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法務ネット」管理人川内康雄はコンピューターやインターネット情報セキュリティ等のIT著作権特許権商標権等の知的財産権を取り扱う大阪弁護士会所属の弁護士です。各種ビジネス企業法務個人情報保護法ベンチャー企業支援にも力を入れています。
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ソフトウェアが原因の製造物責任

質問:

当方は産業用ロボットの製造メーカーです。当社では設計から製造まで一貫して自社で行っているのですが、ロボットのマイコンに組み込むソフトウェアだけは、当社に技術者がいないので、ソフトウェアハウスに外注しています。
先日、マイコンのソフトウェアのバグが原因で、当社のロボットが誤作動を起こし、客先での製造中の製品を壊してしまい、かつ、ロボットの側にいた人を傷つけてしまうというという事故が発生しました。
当社のハードウェアには何らの問題はなかったのですが、当社は製造物責任を負うのでしょうか。また責任を負うとしても、当社ではなく、バグが混入したソフトウェアを作成した外注先に直接製造物責任の賠償請求をしてもらいたいのですが、可能でしょうか。

回答:

ソフトウェアの欠陥が製造物責任を発生させるかについては議論のあるところですが、一般的には、ソフトウェアに欠陥があったとしても、ソフトウェアの製造者が製造物責任を負うことは無いとされています。一方、ソフトウェアがハードウェアに組み込まれていた場合には、ハードウェアの製造者が製造物責任を負うものとされています。
そのため御質問の件で製造物責任を負うのは、御社のみで、ソフトウェアハウスは製造物責任を負わないという事になります。
もっとも製造物責任が発生しなければ法的責任を負わないということではありません。製造物責任は、被害者救済のため、製造者の過失や因果関係が立証できない場合でも、欠陥さえあれば、製造者に責任を認めることとした法律です。過失や因果関係が立証可能なのであれば、被害者は、民法709条に基づいて、損害の賠償を請求することができます。
御質問の件でも、事故の発生原因(ソフトウェアのバグ)を被害者が立証可能であれば、被害者は直接ソフトウェアハウスを訴えて、賠償を請求することができます。ただしこれはその被害者の選択によりますので、御社の側から、ソフトウェアハウスのみを相手にさせることはできません。
なお仮に御社のみが訴えられて賠償金を支払ったとしても、事後的にソフトウェアハウスに請求(これを求償といいます)して、ソフトウェアハウスの責任分を取り返すことは可能です。また訴訟告知という制度を利用して、最初の訴訟にソフトウェアハウスを巻き込み、ソフトウェアハウス自身に、ソフトウェアの欠陥の有無を立証させることも可能です。