知的財産権やビジネス・企業法務Q&A続々更新!大阪弁護士会所属弁護士川内康雄 顧問弁護士
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法務ネット」管理人川内康雄はコンピューターやインターネット情報セキュリティ等のIT著作権特許権商標権等の知的財産権を取り扱う大阪弁護士会所属の弁護士です。各種ビジネス企業法務個人情報保護法ベンチャー企業支援にも力を入れています。
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ロボットのデザインとモーションを守るための手続き

質問:
当社はヒューマノイド型のロボットを開発しております。当社のロボットは多自由度を有しており、また、高性能なジャイロも搭載していますので安定度も高く、かなり人間に近い動きが可能となっています。そこで当社は専門の造形デザイナーに依頼してシェルを作り、ダンサー風の外観としました。そして振り付け師に依頼して、このロボット専用の振り付けを作り、試行錯誤を重ねながら実施可能なモーションとして完成させました。
この外観とモーションは共にかなりオリジナリティが高いものと自負しております。今後このロボットを使って当社の技術力や、このロボット自体の宣伝をしていこうと考えております。
これにあたって一つ心配なのが、このロボットの外観やモーションが、他者にまねをされてしまわないかという点です。当社はこれを完成させるまでにかなりの労力を使いましたが、まねをする方は簡単だと思います。
そこでまねをされてしまうことを法的に防ぐことは可能でしょうか。何か手続きが必要であれば教えてください。

回答:
 ロボットのデザインを守るために使える法律としては、著作権法と意匠法があります。モーションを守るためにも著作権法が活用できるでしょう。
 著作権法は創作性のある様々な表現を保護の対象としています。著作権の対象として良く思い浮かべられるのが小説などの文章や、コンピューター・プログラムですが、著作権法第10条は、
  一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
  二 音楽の著作物
  三 舞踊又は無言劇の著作物
  四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
  五 建築の著作物
  六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
  七 映画の著作物
  八 写真の著作物
  九 プログラムの著作物
これらのものが著作権の保護の対象となるものと例示しています。
ロボットのデザインは、上記の4号又は6号の著作物として保護されますし、モーションについては、動きそのものについては3号で、モーションのシナリオデータは1号により保護されます。
 著作権法では、創作性のある表現がなされた時点で、自動的に、権利が発生します。そのため、行政機関に登録したりといった手続きは必要ありません。著作権登録手続きは存在していますが、これは権利の移転を明らかにするためのもので、権利の有無を確定されるものではありません。
 他人にデザインやモーションがまねをされてしまったときには、著作物であることと、著作権者であることの立証さえできれば、複製行為や上演行為を差し止めたり、賠償請求や、刑事告訴が可能になります。
 なお気をつけないといけないのですが、デザイナー等に委託して創作を行った場合には、著作権は、委託元ではなく、当該デザイナー等に帰属します。そのため、委託契約をきちんと締結し、その中で、権利を移転を明記しておくことが必要でしょう。
 またデザインについては意匠権によって保護することも検討の価値があります。特徴的で、新規性があり、創作性のある物品の外観については、特許庁に登録申請をすれば、意匠権を認めてもらうことができます。著作権は、創作を行ったと認めることができる時に発生することになっていますが、創作と認められないものとの違いが不明確で、本当に権利が発生したのかがはっきりとしません。一方、意匠登録を行えば、登録の存在が権利の存在を表しますので、自己に権利があることをはっきりとさせることができます。また意匠権では、意匠権侵害のある物品が海外から入ってくるときに、これを税関で差し止めてもらったりすることもできます。
 もっとも何分登録手続きが必要ですから、手続きのための費用(印紙税や弁理士費用)がかかります。また登録までに時間を要することが多いですから、実際の登録までの間に、対象となっているデザインが陳腐化してしまうことも考えられます。そのため、意匠登録を行う場合には、対象としているデザインが、自社にとってどの程度の重要性があり、また、製品寿命がどれくらいであるのかを、よく検討する必要があるでしょう。