知的財産権やビジネス・企業法務Q&A続々更新!大阪弁護士会所属弁護士川内康雄 顧問弁護士
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法務ネット」管理人川内康雄はコンピューターやインターネット情報セキュリティ等のIT著作権特許権商標権等の知的財産権を取り扱う大阪弁護士会所属の弁護士です。各種ビジネス企業法務個人情報保護法ベンチャー企業支援にも力を入れています。
 詳しくは下記メニューより川内康雄の自己紹介をご覧ください。

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こちらのホームページでは、日本弁護士連合会が定める「弁護士の業務広告に関する規定」及び「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針」に基づき、当職が特に関心をもって取り扱っている業務分野につきましても、「専門」との表現を差し控えさせていただいております。

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国や自治体との取引

質問:
当方は多自由度・ヒューマノイド型のロボットの研究、開発そして販売を行っている企業です。
先日ある自治体より、役所に展示しておく為のロボットの見積もり依頼を受けました。話を聞いてみると、当社以外にも、数社に見積もりを出していたようです。なおヒューマノイドロボット業界は非常に狭く、この自治体が見積もりを出した先は、常日頃より当社が懇意にし、情報交換を行っている会社ばかりでした。ロボットコンテストで互いに対戦したこともあります。
見積もりに際しては、納入後のサポート価格の見積もりの依頼もあったのですが、当社はこれまでサポートの依頼を受けたことがなく、価格の基準をもっておりません。そこで懇意にしている同業他社に、相場を聞いて回ろうと考えています。その中には、この自治体が見積もりを出している業者も含まれます。
見積もり先の各社のロボットの仕様がそれぞれ大幅に異なっており、サポート費用の高低で、どの会社が契約を取るかを左右することはないと思えるのですが、問題はあるでしょうか?

回答:
御質問の件では、「談合」に該当しないかが問題となります。
市場で中心的な地位を占める企業が著しく少なかったり、横のつながりが強い場合に、往々にして、談合が行われ、世間をにぎわしています。近時は官製談合が多く行われ、逮捕者も出ています。
特に入札談合については独占禁止法上禁止されており、違反した場合には、排除勧告、課徴金、損害賠償、刑事罰が規定されています。また入札談合以外でも、談合その他の価格の公正な形成の阻害行為は、刑法上の談合罪の対象とされています。
このように談合は企業にとって非常にリスクの高い行為なのですが、法律では、「公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した」場合と規定されているのみで、どこまで話をすれば談合となるのかが曖昧で、必ずしも明確に判断できる基準がありません。
御質問の件では、純粋に「その同業他社のこれまでのサポート提供価格を問い合わせて、回答を得る」だけであれば、談合となることはありません。しかし懇意にしている相手であれば、当然その問い合わせに至った経緯などについて話題に上るでしょうし、それぞれ設定するサポート価格が高い、安いといった話になるでしょう。ここまで話をしてしまうとそれだけで黄信号が点滅している状態です。そしてサポート価格を横並びにしようという話をしてしまうと完全に赤信号となります。
そして御社と同業他社がこの自治体に関することで話をしたという外形だけ見ると、残念ですが、何らかの不正をはたらいていると一方的に判断されてしまう可能性があります。
また談合の成立は「公正な価格の形成」を阻害する目的があったと判断されれば、それだけで成立してしまい、価格が契約の成立の要素であったかどうかは、必ずしも関係がありません。
そのため、上記のリスクの大きさに鑑みると、今回の案件については、安全策をとり、問い合わせを見合わせる方が妥当でしょう。