質問:
当社はヒューマノイドロボットを製作している会社です。当社のロボットは自由度が高く、搭載しているマイコンの性能も高いので、踊りを覚えさせたりすることも可能です。先日、イラクで活動しているあるNPOの方から、「紛争で苦しむイラクの子供達に、日本のロボットを見せると大変喜んでもらえるはず。ぜひ売って欲しい」と頼まれました。これはすばらしいと思い、当社としてもぜひ協力したいと思っています。貨物の仕向地がイラクになるのですが、問題はないでしょうか。
回答:
機械製品の輸出の際には、日本の輸出規制及び仕向地の輸入規制の双方をクリアする必要があります。
日本では外為法で、戦略兵器への転用可能性のある機械関連製品(コンピューター・通信機器を含みます)については、原則としては輸出許可を取得しない限りは、輸出できないこととされています。もっとも政令で、一般的に輸出しても問題ないとされている物品が多数指定されており、マイコン程度の製品であれば、高度な暗号機能を搭載している場合でない限り、多くの場合には例外として輸出許可が不要とされています。
しかし更にその例外として、仕向地がイラン、イラク、リビア、北朝鮮の場合には、価格が5万円を超える製品については、輸出許可を別途取得しないと、輸出が不可能とされています。
御質問のロボットも、価格が5万円を割ることは無いでしょうから、日本での輸出許可が必要となる可能性が高いでしょう。なおご相談の件であれば、慈善目的ですので、事情をきちんと説明できれば、輸出許可が出される可能性が高いと思われます。
次に輸出後、仕向地の税関で止められてしまっては意味がありませんので、仕向地の輸入規制を調査する必要があります。ご相談の件であれば、国内で独自にイラクの輸入規制を調査するのは困難でしょうから、イラク宛貨物の取扱実績のある通関業者に確認するか、イラクの荷受け人の側で税関に問い合わせるのがよいでしょう。
なおご相談の件であれば上記の通りですが、ロボット関連製品の輸出を本格的に行うのであれば、当該ロボットの構成要素がそれぞれ輸出許可の対象製品かどうかをまずは確認することが必要です。詳細は
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/kankei-horei/kamotu/matrix/main.html
に掲載されていますのでご覧ください。
なお問題がない製品と判断されれば、個別の輸出の際の許可が不要となる「包括許可」の取得も可能です。






