知的財産権やビジネス・企業法務Q&A続々更新!大阪弁護士会所属弁護士川内康雄 顧問弁護士
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法務ネット」管理人川内康雄はコンピューターやインターネット情報セキュリティ等のIT著作権特許権商標権等の知的財産権を取り扱う大阪弁護士会所属の弁護士です。各種ビジネス企業法務個人情報保護法ベンチャー企業支援にも力を入れています。
 詳しくは下記メニューより川内康雄の自己紹介をご覧ください。

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こちらのホームページでは、日本弁護士連合会が定める「弁護士の業務広告に関する規定」及び「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針」に基づき、当職が特に関心をもって取り扱っている業務分野につきましても、「専門」との表現を差し控えさせていただいております。

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カテゴリー「Q&A:商標法」の5件の記事

小分け販売 : 大量に買った商品を小分けして売ってもいいですか?(しょうゆを1斗買って、1合ずつ小分けにして売る場合等)

自分が買った物を自分がどのように処分するかは自由です。
しかし商標がからむ場合にはかならずしもそうではありません。例えば某有名メーカーのしょうゆを小分けにして、「これは某○○の商品××のばら売りです」として売ってしまうと商標権の侵害となります。逆に単に「まとめ買いしたしょうゆのばら売りです」と言って売れば侵害となりません。
ちょっと変わった結論ですが、多くの裁判例が一致した結論を出しています。これは、商標権者は、当該商標を付された商品の上流から下流まで、商品の形態が一定であることを期待しており、その期待は法的に保護に値するからとされているからです。

並行輸入 : ある外国ブランドの商品について、国内の代理店ではかなり高価なのですが、本国の小売店ではかなり格安で販売されているのを発見しました。そこで本国の小売店で買って日本に輸入し、国内で販売するとビジネスになると考えているのですが、合法でしょうか。

こういった問題は、真正品の並行輸入という問題として論じられています。
商標法に直接の規定はありませんが、複数の裁判例が存在しており、一定の基準が示されています。
並行輸入が許される条件としては
①輸入する商品が真正な商品であること
②外国の商標権者と内国の商標権者が同一か、両社の間に法律的関係(代理店等)があること
③並行輸入品と内国で商標権者が頒布している商品が同一品であること
が挙げられています。
逆に並行輸入が許されない場合としては、
①国内において包装替えや詰め替えが行われた場合
②並行輸入品である旨の表示が十分でないなど、消費者の誤認を惹起する恐れがあるとき
③内国の商標権者が外国の商標権者とは無関係に、当該商標についての名声を得ている場合
が挙げられています。
御質問のような事例であれば、商品に何らの手を加えず、並行輸入品であるときちんと表示されているのであれば、合法となる可能性が高いでしょう。

商標移転 : 商標の譲渡を受けた後に、第三者に二重譲渡される危険はありますか。

民法上、不動産については二重譲渡の可能性が存在しています。不動産の譲渡は意思表示だけで行うことができ、二者以上に対して不動産の譲渡を行った場合には、最初に登記の移転を受けた者が所有権を確定的に取得できるという仕組みになっています。
これに対して、商標の場合は、民法上の不動産について問題となるような二重譲渡は発生しません。商標法上、商標権の譲渡は登録されて始めて効力を生じます。譲渡が二重に登録されることはありませんから、有効に譲渡を受けることができるのは一の当事者のみと言うことになります。
もっとも商標の譲渡契約後、移転登録前に、第三者に別途移転する契約がなされ、第三者への移転登録が先に行われると、その第三者が商標権を取得することになります。この意味では、民法上の不動産の権利関係と類似していると言うこともできるでしょう。

専用使用権設定 : 商標のライセンスを受ける際に、他社がライセンスを受けられないようにする手段はありますか。

商標権を有している者から独占的なライセンス権を取得した場合には、商標権者に対し「他の第三者にライセンスするな」という請求を行うことができます。
もっとも商標権者がこれを無視してライセンスを設定してしまったときに、後からライセンスを受けた者に対して、「その商標を使うな」と請求することはできません。できるのは商標権者に対しライセンス契約違反の責任を問えるのみです。
しかしそれでは「独占的ライセンス」の実効性を担保することができません。そこで商標法には専用使用権の設定が認められています。専用使用権は、専用使用権を設定する旨の契約を商標権者と結んだ上で、特許庁に登録することでその効力が発生します。
専用使用権が効力を発生した後は、専用使用権者は商標権者と同等の権利を行使することができます。商標権を侵害する者があれば、自ら差止請求や損害賠償請求を行うことができます。

著作物の名称と商標:当社はレコードを含む商品分類にてある商標を登録しています。当社のこの登録商標と同一の名前が付されたレコードを発見したのですが、これを差し止めたり、損害賠償を求めることは可能でしょうか?

著作物のタイトルが商標権を侵害するかどうかについてはいくつかの裁判例があります。これらの裁判例では、結論を導く理論は若干異なっていますが、いずれも、商標権は著作物のタイトルに及ばないとしています。最近の裁判例である東京地方裁判所は平成7年2月22日判決「UNDER THE SUN」事件では、「出所表示機能,自他商品識別機能を有しない態様で使用されていると認められる商標については」「商標権の禁止権の効力を及ぼすのは相当ではない」とし、問題となったCDアルバムについて「編集著作物である本件アルバムに収録されている複数の音楽の集合体を表示するものにすぎず,有体物である本件CDの出所たる製造,発売元を表示するものではなく,自己の業務に係る商品と他人の業務に係る商品とを識別する標識としての機能を果たしていない態様で使用されている」として、商標権侵害を否定しています。
そのため単にアルバムのタイトルとして登録商標と同一の商標が付されているという場合においては、商標権の侵害は認定されないでしょう。この程度を越えて、例えばシリーズ物の名称として使用されていたり、CDのブランド名として使用されたりしている場合には、商標権侵害と認められる可能性があります。