合併:合併の際に公告が必要となる貸借対照表はいつの時点のものでしょうか。
公告が必要となるのは、公告の時点で存在している最終の貸借対照表、つまり定時株主総会の承認を受けた貸借対照表です。基本的には、公告を行う日が存する期の前期の貸借対照表ということになります。ただし公告を行う時点で、前期の定時株主総会がまだ開催されていない場合には、前期の最終の貸借対照表がまだ存在していません。そのため公告を行う対象となるのは、前々期の貸借対照表となります。
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公告が必要となるのは、公告の時点で存在している最終の貸借対照表、つまり定時株主総会の承認を受けた貸借対照表です。基本的には、公告を行う日が存する期の前期の貸借対照表ということになります。ただし公告を行う時点で、前期の定時株主総会がまだ開催されていない場合には、前期の最終の貸借対照表がまだ存在していません。そのため公告を行う対象となるのは、前々期の貸借対照表となります。
確立された見解は見あたりませんが、監査役制度の趣旨及び監査特例法が制定された経緯に鑑みれば、監査役の権限をそのように拡張することは可能と思われます。具体的には、取締役会規則または定款において、取締役会は監査役にも招集通知を発送の上で開催しなければならず、監査役より取締役会への出席の要求を受けた場合にはこれを認めなければならないこと、取締役は監査役による業務執行の監査に服すること、そして、監査役に監査義務を負わせるのであれば、定款又は会社と監査役との委任契約書内に、監査役は業務執行についても監査を行わなければならないこと、可能な限り取締役会に出席しなければならないことを規定することにより実現可能でしょう。なお小会社の監査役が取締役会に出席できることについては、「実務相談株式会社法」(商事法務研究会)にも同旨の記載があります。
監査特例法18条2項において常勤監査役を互選にて定めることが要求されていますので、少なくとも一人は常勤監査役が必要です。
監査特例法18条1項において「半数以上」という表現がとられていますので、全員が社外監査役でも問題ありません。社内に人材が確保できない場合や、社外からの監査によりコンプライアンス向上を目指したい場合には、全員を社外監査役とするのも、有効な方策と思われます。
まず前提として、会社が商法等に規定された手続きに基づき設立されたものであれば、法人格、つまり法的権利や義務の主体となることができます。商法以外でも民法やその他の特別法など、自然人以外に法人格を付与する法律は多く存在しています。
もっとも自然人でいうところの人格的利益に関わる法的権利(人格権)については、各権利毎に会社が主体となれるものなのかが検討されています。
まず言論の自由であれば、裁判例上、およそ会社であっても、自然人と異なることなく、これを享有することができるとされています。
しかし企業が保有する秘密に関する権利については、これを「プライバシー」という概念ではなく、「営業秘密」という概念でとらえられています。不正競争防止法では明文で営業秘密という概念が用いられ、法律上の要件に該当すれば、権利の主張が可能です。
もっとも自然人でいうところのプライバシー権で認められる範囲からは、比較的権利の範囲は狭いといえると思います。
ただしこれらの権利があるといっても無制限に認められるものではなく、その他公益やその他人の権利との調整上制限を受けます。たとえば言論の自由も名誉毀損となるものは許されませんし、虚偽の事実の報告も、証券取引法や不正競争防止法で禁止されています。また営業秘密に該当する事項であっても、商法には利害関係人による開示請求権や、刑事事件における令状による捜査、押収の対象となります。
確かに合同会社制度では、期待されていたパススルー課税制度(構成員課税)やチェックザボックス制度(課税対象選択制度)が見送られてしまいましたので、利用するメリットはかなり小さくなってしまいました。
もっとも当職としては以下のような点が実質的メリットとしてまだ残存しており、利用価値はあるものと考えています。
・設立費用が安い
定款印紙と登記印紙の合計で10万円であり、定款認証も不要です。そのため株式会社の約半額で設立できます。
・役員に任期の制限がない
有限会社制度が廃止され、特例有限会社(新会社法施行以前から存在している有限会社)以外は、取締役の任期は最長でも10年となります。一方、合同会社は、所有と経営が一致していることもあり、社員、業務執行社員、代表社員の任期に制限は有りません。そのため取締役の任期満了による登記費用を節約できます。
・剰余金分配の制限(300万円)がない
新会社法では、たとえ資本金が300万円未満の会社でも、純資産金額が300万円に到達しない間は、剰余金分配ができず、会社の財産を逐次出資者に還元するには制限があります。一方合同会社にはこのような義務が有りません。
・決算公告義務が無い
株式会社では決算公告が義務づけられています。これまで決算公告を行う会社はほとんど有りませんでしたが、最低資本金制度の撤廃などにより、今まで以上に信用評価が重視される様になるため、本当の意味で義務化されてくる可能性があります。そうなると会社の資産状況を公開しないといけなくなるわけですが、これを望まない経営者もあるかと思います。合同会社では、社員や債権者に対する義務を除き、決算公告が義務づけられていませんので、世の中一般に向けて財産状況を公開する必要はありません。
商法の解釈上、取締役会の承認にかからしめるなどして代表取締役の権限を制限することは認められています。一方、取締役会の権限を代表取締役に委譲することは原則としては認められていません。これは商法が取締役会に代表取締役に対する監督機能を期待しているからです。
具体的には商法260条2項に、以下の取締役会の権限事項が記載されています。
一 重要ナル財産ノ処分及譲受
二 多額ノ借財
三 支配人其ノ他ノ重要ナル使用人ノ選任及解任
四 支店其ノ他ノ重要ナル組織ノ設置、変更及廃止
これらの事項は、代表取締役がその一存で決することはできず、かならず取締役会に諮らなければならないことになります。
もっとも上記の規定は「重要ナル」や「多額」など、非常に曖昧な基準しか定められていません。そこで会社において任意に代表取締役と取締役会の職務分掌を定める場合には、これらの判断基準を具体化させる形で規定を作成することが多いです。また取締役会の要承認事項を増やすことは原則自由ですので、取締役会という会議体で決した方が良い事項が類型的に存在しているのであれば、これを取締役会規則等に定めることによって、取締役会の承認事項としても良いでしょう。
取締役会の議案については、株主総会とは異なり、招集通知に記載するか否かについて法律上の規定がありません。そのため、会議の目的の記載を要しないとする考え方が多いようです。
もっとも、各取締役が議題の判断をなすにつき必要な説明・資料提供が無いままに決議がなされた場合には、決議の瑕疵が生じ得ます。瑕疵のある決議は法的には当然に無効となるため、リスクが大きいと言えます。
そのため代表取締役の解任動議の提出自体は可能としても、当該取締役会においては、解任の動議の理由となる事実関係を、取締役会での審議に足りるだけの根拠資料とともに提出し、且、決議までに各取締役に対してこれの検討の猶予を与えることが必要でしょう。
このことは、招集通知には議案の記載を要し、取締役会は招集通知に記載された以外の議案を審議・決議することはできないと解する見解も存在していることからも、重要と言えます。
有限会社の取締役が自己又は第三者のためにその有限会社と同じ部類の取引(競業)を行うためには、社員総会においてこれを許諾する決議を得る必要があります(有限会社法29条)。そのため自分で同業を起業したり、同業を行う他社の取締役に就任するには、社員総会に報告の上で許可を得る必要があります。新たに取締役に就任した会社の定款中の会社の目的にもとの有限会社と同じ目的が含まれている場合であっても、結局は自分自身が競業に関与するか否かで判断します。競業に関与しないのであれば社員総会の承認は不要ですが、関与するのであれば必要です。
結論としては不要です。従業員持株会は会社からは独立した組織ですので、会社側の意志決定は不要です。むしろ会社が設立の意志決定をしてしまうと、会社の内部組織のようになってしまい矛盾します。なお、従業員持株会経由での株式取得について会社が奨励金を支出する場合で、これがかなりの多額となる場合には、かかる奨励金支出について取締役会の決議が必要となる可能性はあります。
商法第260条2項3号では、「支配人其の他の重要なる使用人の選任及解任」は取締役会の決議事項とされています。そしてこれは強行規定であり、定款や取締役会規則で定めたとしても、代表取締役や常務会に委任することはできないと考えられています。
ご質問の、「専務取締役」も「平取締役」も、商法上は単なる「取締役」にすぎません。そのため単に肩書きが変更されるのみであれが、取締役会の決議事項とはならない可能性があります。もっとも通常はこれらの取締役は従業員としての地位を兼務し、何らかの重要な役職が就いているはずです。専務取締役から平取締役に降格となることによって役職が変更となるのであれば、まさに重要なる使用人の選任と解任に該当します。そのため取締役会決議を経なければ、降格ができないということになるでしょう。