答え:「大阪エヴェッサ」
皆さんは「大阪エヴェッサ」というチーム名を聞いて、どんな印象を持たれるでしょうか?実はこの名前には、大阪の商売人魂と地域への深い愛情が込められた、とても興味深い物語があるんです。
「エヴェッサ」の由来は商売繁盛の神様
チーム名の「エヴェッサ」は、関西弁で親しまれている「えべっさん」に由来しています。「えべっさん」とは、商売繁盛の神様として知られる恵比寿様のことで、大阪では特に今宮戎神社の「十日えびす」が有名ですよね。毎年1月9日から11日にかけて行われるこの祭りには、「商売繁盛で笹持ってこい!」の掛け声とともに、100万人以上の参拝者が訪れるほどの盛況ぶりです。
チーム名にこの「えべっさん」を採用したのは、まさに大阪らしい発想と言えるでしょう。バスケットボールという競技を通じて、チームも地域も繁栄してほしいという願いが込められているのです。また、「EVESSA」という英語表記にすることで、国際的にも親しみやすい名前になっているのも工夫の一つです。
愛らしいマスコット「まいどくん」の秘密
大阪エヴェッサのマスコットキャラクター「まいどくん」をご存知でしょうか?この「まいどくん」は、赤い頭巾と大きな福耳が特徴的なキャラクターで、見た目からも恵比寿様がモチーフになっていることが分かります。
「まいど」という名前も、大阪の商売人が使う「まいど、おおきに」という挨拶から来ています。関西弁で「いつもありがとうございます」という意味のこの言葉は、お客様への感謝の気持ちを表す大阪商人の心そのものです。つまり、「まいどくん」は大阪の商売人魂とホスピタリティを体現したキャラクターなんですね。
大きな福耳は、恵比寿様の特徴でもあり、「福を呼ぶ」「お金が貯まる」という縁起の良い意味も込められています。試合会場では、この愛らしい「まいどくん」が観客席を回り、子どもから大人まで多くのファンに愛されています。
B.LEAGUEでの挑戦と地域密着
大阪エヴェッサは、2016年に開幕したB.LEAGUEに参加するプロバスケットボールチームです。ホームアリーナは大阪市住吉区にある「おおきにアリーナ舞洲」(大阪市舞洲スポーツアイランド)で、ここでも「おおきに」という大阪らしい名前が使われているのが面白いですね。
チームの歴史を振り返ると、前身は「大阪エヴェッサ」として2008年に設立され、bjリーグ(現在は統合されてB.LEAGUE)で活動していました。チーム名やマスコットキャラクターは設立当初から一貫して大阪の文化や商売人の精神を反映したものになっており、地元への愛着の深さが伺えます。
大阪の商売人文化とスポーツの融合
興味深いのは、大阪エヴェッサが単なるスポーツチームではなく、大阪の商売人文化そのものを体現している点です。商売繁盛の神様である恵比寿様から名前を取り、お客様への感謝を表す「まいど」をマスコットに込める。これは、スポーツを通じて地域経済の活性化や商売繁盛を願う、実に大阪らしい発想と言えるでしょう。
また、大阪は昔から「商いの街」として栄えてきました。江戸時代には「天下の台所」と呼ばれ、全国の物資が集まる商業の中心地でした。その伝統は現代にも受け継がれており、大阪エヴェッサの命名にもその精神が色濃く反映されているのです。
ファンとの絆を大切にする姿勢
大阪エヴェッサは、試合だけでなく地域イベントへの積極的な参加や、ファンとの交流イベントも頻繁に開催しています。これも「まいど、おおきに」の精神、つまりお客様(ファン)への感謝を大切にする大阪商人の心得から来ているのでしょう。
選手たちも関西弁で気さくにファンと接し、試合後にはサイン会や写真撮影に快く応じる姿が見られます。このような親しみやすさも、大阪の人柄を反映したチーム運営の特徴と言えるでしょう。
このように、大阪エヴェッサは単にバスケットボールをするだけのチームではなく、大阪の歴史、文化、商売人の精神を現代に伝える文化的な存在でもあるのです。次に大阪を訪れる機会があれば、ぜひ「えべっさん」にちなんだこのユニークなプロバスケットボールチームの試合を観戦してみてはいかがでしょうか。
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