大阪のプロサッカーチーム、ガンバ大阪のガンバ(GAMBA)の意味とは?
皆さんは大阪のサッカーチーム「ガンバ大阪」の名前の由来をご存知でしょうか?多くの人が「頑張る」の関西弁「がんば」から来ていると思っているかもしれませんが、実は違うんです。
ガンバ(GAMBA)は、イタリア語で「脚」という意味なのです。これは非常に興味深い由来ですよね。なぜイタリア語なのか、その背景には深い物語があります。
なぜイタリア語の「脚」なのか?
ガンバ大阪の前身は、1980年に創設された松下電器産業サッカー部(現パナソニック)でした。そして1991年にJリーグ発足に向けて、チーム名を公募したのです。その際、応募総数は約2万通にも上りました。
「ガンバ」という名前が選ばれた理由は実に巧妙でした。まず、サッカーにとって最も重要な身体の部位である「脚」をイタリア語で表現することで、サッカーというスポーツの本質を表現しました。同時に、日本人にとって馴染み深い「頑張る」という言葉の響きも持っているため、サポーターにとって親しみやすく、応援しやすい名前になったのです。
さらに興味深いことに、イタリアはサッカー王国として知られており、セリエAは世界最高峰のリーグの一つです。そのイタリアの言葉を使うことで、世界に通用するチームになりたいという願いも込められているのかもしれません。
もう一つの大阪チーム、セレッソ大阪の物語
ところで、大阪にはもう一つのプロサッカーチーム「セレッソ大阪」がありますが、こちらも興味深い由来を持っています。セレッソ(CEREZO)はスペイン語で「サクラ」を意味し、大阪市の花の一つである桜から名付けられました。
セレッソ大阪の前身は、1957年に創設されたヤンマーディーゼルサッカー部です。1993年にJリーグに参入する際、チーム名を「セレッソ大阪」に改名しました。スペイン語が選ばれた理由は、当時のスペインサッカーの技術的な美しさと、桜の美しさを重ね合わせたためと言われています。
大阪の二つのチームが象徴するもの
こうして見ると、大阪の二つのサッカーチームは、それぞれ異なるヨーロッパの言語を使いながら、サッカーへの情熱と大阪への愛着を表現していることが分かります。
ガンバ大阪の「脚」は、サッカーの根本である「ボールを蹴る」という行為そのものを表現し、力強さと実践的な姿勢を象徴しています。一方、セレッソ大阪の「桜」は、美しさと儚さ、そして毎年必ず咲く継続性を表現し、技術的な美しさと持続的な成長を象徴しているのです。
世界のサッカーチーム名との比較
実は、世界のサッカーチームを見渡すと、身体の部位を名前に持つチームは珍しくありません。例えば、ブラジルの名門サントスFCは「聖人たち」という意味ですが、イタリアのユヴェントスは「青春」、スペインのレアル・マドリードは「王室の」という意味を持ちます。その中で「脚」という、サッカーにとって最も直接的で重要な部位を名前にしたガンバ大阪は、ある意味で非常にストレートで分かりやすいネーミングと言えるでしょう。
関西らしいユーモアも隠されている
さらに面白いのは、「ガンバ」という響きが関西弁の「頑張る」と似ていることで、関西人特有のユーモアセンスも感じられることです。真面目にイタリア語の意味を説明しながらも、どこか親しみやすく、関西人らしい「どや感」も醸し出している絶妙なネーミングだと思いませんか?
このように、一見シンプルに見えるチーム名にも、深い思いと工夫が込められているのです。次にガンバ大阪の試合を見る機会があったら、選手たちの「脚」に注目してみてください。きっと、チーム名の意味を知ることで、より一層試合を楽しめるはずです。
そして大阪の街を歩いているときに桜を見かけたら、セレッソ大阪のことも思い出してくださいね。大阪という街が、こうした細やかな愛情と工夫によって、二つの個性豊かなサッカーチームを育んでいることに、きっと新たな魅力を感じることでしょう。
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