- 時事の事件を報道する際、その事件を構成する著作物や、事件の過程で見聞きされる著作物を、報道目的上正当な範囲内で複製・利用することが認められる。
- この規定は、報道の都度、著作権者の許可を得る手間を省き、報道の必要性を優先したものである。
適用条件
- 時事の事件の報道:現在または近接した時点の出来事に限られ、過去の歴史的事件は対象外。
- ニュースとしての価値があることが求められ、過去の記事やフィルムをデータベース化する行為は含まれない。
- 報道方法は限定されず、雑誌やインターネットも含まれる。
対象となる著作物
- 事件を構成する著作物:報道の対象自体が著作物である場合(例:絵画展の絵画、襲名式のビデオ)。
- 事件の過程で見聞きされる著作物:報道の際に避けられない著作物(例:美術展で映る絵画、式典で流れる音楽)。
利用の範囲
- 正当な範囲内での利用:報道に必要な範囲か、著作物の本来的利用と衝突しないかが判断基準。
- 営利目的など報道以外の意図が主な場合は、正当な範囲内とは認められない。
認められる行為
- 複製:写真撮影、録音、録画などによる有形的な再製。
- 報道に伴う利用:ニュースフィルムでの放送、新聞・雑誌記事への掲載など、報道と一体となった利用。
- 翻訳が認められ、出所明示が必要な場合はその義務がある。
- 同一性保持権に反する変更は許されず、報道以外の目的での複製物の頒布は禁止される。
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