参考:
条文の概要
- 著作物に表現された思想・感情の享受を目的としない場合、必要な限度で自由に利用可能
- ただし、著作権者の利益を不当に害する場合は適用除外
参考:
- 著作権法の解説 (公的機関)
- 著作権法の概要 (政府)
- 著作権法における自由利用の範囲と制限 (公的機関)
立法趣旨
- 平成30年改正により、技術革新に対応した柔軟な権利制限規定として整備
- 人工知能、IoT、ビッグデータ等の新技術進歩に対応
- 多層的アプローチによる権利制限規定の構築
- 第1層:権利者利益を通常害さない行為類型
- 第2層:権利者への不利益が軽微な行為類型
- 第3層:公益的政策実現のための行為類型
参考:
- 平成21年第3回 著作権法制小委員会議事録 (政府)
- 著作権法の概要 (公的機関)
適用要件
基本要件
- 非享受目的:著作物に表現された思想・感情を享受することが目的でない
- 必要最小限度:当該利用目的から導かれる最低限の範囲
- 利益不当侵害の回避:著作権者の利益を不当に害さない
参考:
- 音楽の著作権とは (公的機関)
- JASRAC寄附講座 音楽・文化産業論Ⅱ (学術)
- JASRAC 寄附講座 「知的財産権から見た法学入門」講義概要(第1回~第15回) (学術)
「享受」の判断基準
- 著作物の視聴により知的・精神的欲求を満たす効用を得る行為か否かで判断
- 行為者の主観と客観的状況を総合考慮
- 享受目的が一切含まれない場合に限定適用
具体的利用類型
参考:
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
- 著作権法と不正競争防止法の交錯問題に関する研究 (公的機関)
第1号:技術開発・実用化試験目的
- 著作物の録音・録画その他利用技術の開発・実用化のための試験利用
- 著作物利用技術に限定(著作物と無関係な技術開発は対象外)
第2号:情報解析目的
- 大量情報から要素情報を抽出し、比較・分類等の解析を実施
- 手作業による解析も適用対象
- 統計的手法以外の解析手法も含む
- 全ての支分権行為が利用可能
第3号:人の知覚認識を伴わない利用
- 著作物表現について人の知覚による認識を伴わない利用行為
- 電子計算機による情報処理過程での利用等
- コンピュータのバックエンドでの著作物複製等
参考:
- 著作権法における「公衆送信権」及び「送信可能化権」について (公的機関)
- 著作権法の一部を改正する法律案について (政府)
- 著作権法における送信可能化権の意義と課題 (学術)
改正による変更点
- 未公表著作物も適用対象に拡大
- リバースエンジニアリングも適用範囲に包含
- 利用可能な支分権行為を全面拡大
- 著作権者利益保護のためのただし書規定を新設
参考:
- 令和5年通常国会 著作権法改正について (政府)
運用上の留意点
- 例示規定のため、各号以外の行為も適用可能
- 利用態様や経緯等の客観的状況による総合判断が必要
- 技術開発目的と称した不当な利用の排除
- 著作物の種類・用途・利用態様を考慮した適用判断
参考:

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