著作権法第30条1項3号(私的使用のための複製)

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概要

  • 違法なネット配信からの音楽・映画等のダウンロード行為を私的複製の権利制限から除外する規定
  • 平成21年改正により新設、令和2年改正により対象範囲が拡大

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適用要件

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基本要件

  • 著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行う行為
  • デジタル方式による録音または録画
  • 違法配信であることを知りながら行う場合

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対象となる著作権

  • 複製権、公衆送信権、翻案権、二次的著作物利用権を含む
  • 著作者人格権のみの侵害は対象外

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国外配信の取扱い

  • 国外で行われる自動公衆送信も対象
  • 配信地国の法律ではなく、日本の著作権法基準で違法性を判断
  • 日本国内で行われたとすれば著作権侵害となる場合に適用

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行為態様の限定

デジタル方式の要件

  • パソコンやスマートフォンによる音楽・映像ダウンロードが典型例
  • アナログ録音は対象外

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録音・録画の限定

  • 主に音楽の著作物や映画の著作物を想定
  • プログラム著作物の複製は原則として対象外
  • ただし、ゲームソフト等のアウトプット映像の録画は対象となりうる

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主観的要件

悪意の認定

  • 著作権侵害であることを知りながら行う場合に限定
  • 一般的・抽象的な可能性認識では不十分
  • エルマークの有無のみでは悪意は推定されない
  • 個別事案に応じた慎重な認定が必要

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除外事項

適用されない場合

  • 海賊版CD・DVDからの私的複製(自動公衆送信を経ない)
  • ストリーミング視聴時のキャッシュ保存(47条の4第1項1号により適法)

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令和2年改正による拡大

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新1項4号の追加

  • 録音・録画以外のデジタル複製も対象に拡大
  • 軽微な複製は除外
  • 著作権者の利益を不当に害しない特別事情がある場合は除外

軽微性の判断基準

  • 複製部分の割合
  • 表示精度(画質等)
  • 正規商品の需要を奪わない程度であれば軽微

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特別事情の考慮

  • 著作物の種類・用途
  • 複製の態様・目的・必要性
  • 例外的な場合に限定

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罰則適用

  • 平成24年改正により刑事処罰の対象に追加
  • 一定要件下で著作権侵害罪が成立

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重過失の除外

  • 令和2年改正により新2項を追加
  • 重大な過失により知らなかった場合は要件を満たさないことを明文化

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