参考:
- 著作権法第37条第3項ただし書該当資料確認リスト (公的機関)
- 著作権データベース (公的機関)
条文の概要
- 視覚障害者等の福祉増進を目的とした著作権制限規定
- 著作権者の経済的利益を侵害しない範囲で文化的所産の自由利用を認める
- 点字利用者が限定的で、ボランティア活動が中心のため経済的利益が見込めない実情に対応
参考:
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
- 第66回 文化審議会著作権分科会 (政府)
第1項:点字による複製
- 公開済み著作物の点字複製を無許諾で認める
- 対象:発行・上演・演奏・上映・公衆送信等により公衆に提示された著作物
- 未発表の原稿やメモ等は対象外(公表権保護のため)
- 実際は言語・音楽著作物が中心
参考:
- 著作権法逐条講義(七訂新版) (専門家)
第2項:電子的点字処理
- パソコン点訳による点字データの作成・保存を認める
- 記録媒体(USB・DVD等)への保存が可能
- 公衆送信も可能(放送・有線放送は除外、自動公衆送信では送信可能化を含む)
- 高度情報化社会への対応として平成12年に追加
第3項:音声化等による利用
利用主体
- 視覚障害者等の福祉事業を行う政令指定者に限定
- 視覚障害者・発達障害者・色覚障害者等を含む
- 国立国会図書館、大学図書館、公共図書館、視聴覚障害者情報提供施設等
- 一定要件を満たす法人や文化庁長官指定団体
参考:
- 著作権法第37条第3項ただし書該当資料確認リスト(2024年6月5日現在) (公的機関)
- 第5小委員会(録音・録画関係)報告書 (公的機関)
- 「図書館員・音訳者のための著作権セミナー」のご案内 (公的機関)
利用範囲
- 視覚認識方式で提供される公表済み著作物が対象
- 映画著作物も含む(音楽部分等も一体として扱う)
- 文字の音声化、朗読録音、自動公衆送信等が可能
- 必要最小限度の範囲内での利用に限定
参考:
- リアルタイム字幕の自由化と要約筆記 (学術)
- 平成21年第7回 | 文化庁 (政府)
利用制限
- 著作権者等が既に適切な方式で提供している場合は利用不可
- 視覚障害者等専用での利用に限定
- 目的外利用は複製行為とみなされる
他条文との関係
- 翻訳・変形・翻案による利用も可能
- 適法複製物の譲渡・貸与が一定条件下で認められる
- 著作隣接権にも準用される
- 出所明示義務あり
参考:
- 5-5-1.翻訳権・翻案権/Webで著作権法講義 (専門家)
- JRRCマガジンNo.280 著作者の権利について(その15) (公的機関)
- JRRCマガジンNo.259 著作者の権利について(その8) (公的機関)
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