参考:
- 改正著作権法第35条運用指針について (公的機関)
- 改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)WEB翻訳用テキスト版 (公的機関)
- 「先生にぜひ読んでほしい」すごくわかる著作権と授業 (すごわか) (学術)
概要
- 学校等の非営利教育機関において、教員と学習者が授業で著作物を利用する際の権利制限規定
- 複製は無償、公衆送信(遠隔合同授業を除く)は補償金支払いが必要
- 著作権者の利益を不当に害する場合は利用不可
参考:
- 著作権法第35条の解説 (公的機関)
- 教育機関における著作物利用のガイドライン (政府)
- 学校教育における著作物の利用と著作権法 (公的機関)
適用対象
参考:
教育機関の範囲
- 対象となる機関
- 小中高校、大学、専修学校、各種学校
- 公民館、青年の家等の社会教育施設
- 防衛大学校、警察大学校等の法定機関
- 対象外の機関
- 営利目的の教育機関
- 学習塾、企業内研修施設
- 任意団体の学習会
利用主体
- 教育担当者: 実際に教育を行う者(資格不問)
- 学習者: 児童生徒等の授業受講者
- 複製作業自体は学生や業者が行っても可
参考:
- 著作権に関する教材・講習会 | 文化庁 (政府)
- 場面対応型指導事例集_著作権教育5分間の使い方 (政府)
- 学校など教育機関での音楽利用 | JASRAC (公的機関)
利用条件
参考:
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
- 放送等使用料(利用許諾・請求) (公的機関)
基本要件
- 目的: 授業過程での利用に限定
- 範囲: 必要最小限の分量・部数
- 対象: 公表済み著作物のみ
- 場面: 正規の授業、学校行事、必修クラブ活動
利用可能な行為
- 複製: 印刷物等の有形的複製
- 公衆送信: オンライン配信、メール送信等
- 公衆伝達: 受信装置を用いた伝達
- 翻訳・翻案: 必要に応じた改変
制限事項
参考:
- 音楽の著作権とは (公的機関)
著作権者の利益を不当に害する場合
- 著作物の種類: 絵画・写真の鑑賞目的複製、文学作品の全編複製
- 著作物の用途: ワークブック、ドリル、教育用ソフト等の教材
- 複製部数: 全校生徒配布、数百人規模の大講堂授業
- 複製態様: 市販品質の印刷・製本、長期保存可能な形態
判断基準
- 原本購入に与える影響の大きさ
- 複製部分の割合(書籍の1-2ページ程度は許容)
- 原本入手の困難性(絶版書籍等は緩和)
- 複製品質(白黒コピー等は許容範囲拡大)
補償金制度
参考:
- 私的複製に関する適切な対価還元の仕組みを (公的機関)
支払い対象
- 有償: 一般的な公衆送信(オンデマンド授業、予習復習資料配信等)
- 無償: 複製行為、遠隔合同授業(同時中継)
参考:
制度運用
- 文化庁長官指定の管理団体が補償金額を決定
- 教育関係者の意見聴取と文化審議会への諮問が必要
- 適正額認定後に実施
参考:
- 第51回 文化審議会著作権分科会 (政府)
- JRRCマガジンNo.215 学校等の教育機関における著作物等の利用について(その2) (公的機関)
- 第67回 文化審議会著作権分科会 (政府)
遠隔合同授業の特例
参考:
- 学校教育と著作権 (公的機関)
- 一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS) (公的機関)
適用条件
- 主会場での対面授業と副会場への同時中継
- 主会場で使用する教材の副会場向け送信
- 同時受講者に限定(録画配信は対象外)
参考:
- 第48回 文化審議会著作権分科会 (政府)
- 最近よくあるご質問にお答えします:文部科学省 (政府)
利用例
- 主会場の地図・図表を副会場画面に表示
- 主会場配布資料を副会場へ電子送信
- 音楽演奏や朗読の同時中継
参考:
- 放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関するワーキングチーム(第6回) (政府)
- 放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関するワーキングチーム(第4回) (政府)
- 放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関するワーキングチーム(第3回) (政府)
その他の規定
- 出所明示義務(慣行がある場合)
- 著作者人格権の尊重
- 任意の部活動や自主学習は対象外
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