参考:
- 公益社団法人著作権情報センター(CRIC) (公的機関)
- 一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC) (公的機関)
- 日本弁護士連合会(JAPAN FEDERATION OF BAR ASSOCIATIONS) (専門組織)
条文の概要
- 新聞・雑誌に掲載された時事問題の論説について、一定条件下で自由利用を認める規定
- 論説の社会的役割を考慮し、多数意見形成のための引用を法的に保障
対象となる論説の要件
参考:
- 著作権と表現の自由をめぐる諸問題 (公的機関)
- 著作権法と不正競争防止法の交錯問題に関する研究 (公的機関)
媒体・内容の限定
- 新聞紙または雑誌に掲載・発行されたもの
- 政治・経済・社会の時事問題を扱う論説
- 学術的性質を持つものは除外
参考:
- Q&A 市民便りなど広報誌 | こんなときあなたは? | 著作権Q&A (公的機関)
- 著作権法逐条講義(七訂新版) (専門家)
時事問題の範囲
- 現在または現在に近い時点の出来事
- 過去の出来事でも最近の事件との関連があれば対象
- 新聞が取り上げる問題であれば大部分が該当
参考:
- 月例著作権研究会 (公的機関)
- JASRAC寄付講座「コンテンツ産業論」 (学術)
論説の定義
- 報道機関としての主義主張や提言を展開するもの
- 社説、巻頭言等が典型例
- 単なる事実報道や速報記事は著作物に該当しないため対象外
許可される利用行為
参考:
第1項で認められる行為
- 他の新聞・雑誌への転載
- 放送・有線放送での利用
- 放送の同時再送信目的での自動公衆送信
参考:
- 著作権法の一部を改正する法律の制定について | 文化庁 (政府)
- 著作隣接権 | 文化庁 (政府)
転載の範囲
- 原則として原文のまま移し載せること
- 紙面制約による重要部分の保持と一部省略・要約は許容範囲
- 書籍等への転載は対象外
参考:
自動公衆送信の制限
- 放送対象地域内での同時再送信のみ許可
- インターネットでのデータベース蓄積・閲覧提供は不可
参考:
利用制限・禁止事項
転載禁止表示
- 「禁転載」等の表示がある場合は利用不可
- 署名入り記事も転載禁止とみなされる
- 禁止表示は個々の論説ごとに必要
署名記事の扱い
- 氏名明示のほか、姓のみ表記も署名入りとして扱う
- 特派員、記者名入り記事も対象外
- 社外評論家、各種委員の記事も除外
第2項の規定
- 第1項により放送等された論説について、受信装置による公衆への伝達を許可
- 受信装置を用いた直接視聴の提供が対象
参考:
遵守事項
- 翻訳転載も可能だが出所明示が義務
- 同一性保持権を侵害する変更・切除は禁止
- 日本新聞協会はインターネット利用時の事前連絡を推奨
参考:
- インターネット10分講座:著作権の基礎知識 (公的機関)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第3回) (政府)
- 生成AIにおける報道コンテンツの無断利用等に関する声明 (公的機関)
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