参考:
- 著作権法第47条の6の解説 (公的機関)
- 著作権法第47条の6の適用範囲と事例 (公的機関)
- 著作権法第47条の6の解釈と実務 (専門組織)
基本的な考え方
参考:
- 音楽の著作権とは (公的機関)
- 著作権Q&A (公的機関)
- 著作権制限規定により著作物を利用できる場合、翻訳・編曲・変形・翻案といった創作的な加工を伴う利用も著作権者の許諾なしに可能とする制度
- 従来は解釈で対応していた二次的著作物の自由利用範囲を明文化
- 原著作物について自由利用できる範囲と同じ内容の利用を、作成した二次的著作物についても可能とする
参考:
- 著作物等のライセンス契約に係る制度の在り方に関するワーキングチーム(第2回) (政府)
- 著作権法の概要 (公的機関)
第1項の規定内容
参考:
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
- 著作権法の解説 (公的機関)
対象となる権利制限規定と利用方法
1号:翻訳、編曲、変形、翻案が可能
- 私的使用目的の複製(30条1項)
- 教科用図書への掲載(33条1項・4項)
- 学校向け放送番組等での利用(34条1項)
- 教育機関における複製等(35条1項)
- 電子計算機による情報処理に付随する軽微利用の準備(47条の5第2項)
2号:翻案が可能
- 付随対象著作物の複製等(30条の2第1項)
- プログラム著作物の所有者による複製等(47条の3第1項)
参考:
3号:翻訳のみ可能
- 図書館等における複製(31条1項1号・3項後段)
- 引用(32条)
- 試験問題としての複製等(36条1項)
- 点字による複製・電子点字の記録等(37条1項・2項)
- 時事問題論説の転載等(39条1項)
- 公開演説等の新聞掲載等(40条2項)
- 時事報道のための利用(41条)
- 裁判手続等における複製(42条)
参考:
- 著作権法の解説 (政府)
4号:変形、翻案が可能
- 教科書代替教材への掲載等(33条の2第1項)
- 教科書用拡大図書等作成のための複製(33条の3第1項)
- 原作品展示者による展示著作物の小冊子への掲載等(47条)
参考:
- 美術の著作物等の展示に伴う複製(第47条) (専門家)
- 美術館で、某作家の美術展を予定している。その際、展示品の写真と解説文を記載した簡単なパンフレットを配布したい。所有者の了解は得ている。 (公的機関)
- 美術・写真の著作物と展示権 (専門家)
5号:翻訳、変形、翻案が可能
- 視覚著作物の音声化した上での複製等(37条3項)
6号:翻訳、翻案が可能
- 聴覚著作物の文字化等をしての複製等(37条の2)
利用主体の制限なし
- 創作的利用を行う者は、原著作物の自由利用ができる者に限定されない
- 第三者への委託による創作行為も認められる(例:教科書発行者が翻訳業者に委託して外国語作品を翻訳させる場合)
参考:
- 著作権法逐条講義(七訂新版) (専門家)
- 著作権法入門 2024-2025 (専門家)
第2項の規定内容
二次的著作物の自由利用
参考:
- 二次的著作物利用権の性質と限界 (学術)
- 第1項により創作された二次的著作物について、原著作物と同じ権利制限規定が適用される場合の利用方法を規定
- 原著作物の著作者等が有する28条の権利(二次的著作物の利用に関する権利)との関係を調整
みなし規定
参考:
- 著作権法におけるみなし規定の解釈と適用 (公的機関)
- 著作権法におけるみなし規定の法的意義 (公的機関)
- みなし規定の法的解釈と実務上の課題 (専門組織)
- 二次的著作物が権利制限規定の要件を満たさない場合でも、要件を満たすものとして扱う
- 例:未公表の翻訳物でも、原著作物が公表されていれば公表された著作物として扱う
特例規定
展示著作物の特例
- 47条1項に基づき変形・翻案した二次的著作物について、47条2項による上映・自動公衆送信も可能
公衆提供提示著作物の特例
- 47条の5第2項に基づき創作した二次的著作物について、47条の5第1項による軽微利用も可能
引用における要約の取扱い
判例の立場
参考:
- 最近の著作権裁判例について (公的機関)
- 平成13年度重要判例解説/知的財産法判例の動き (学術)
- 続・著作権の事件簿(132)無許諾の動画ファイル視聴サービスが音楽著作権者の公衆送信権等を侵害するとされた事例―「TVブレイク」事件―東京地裁平成21年11月13日判決 (公的機関)
- 要約による引用は翻案の一態様として47条の6第3号に含まれるとする解釈
- 引用の場合に通常必要と考えられる利用方法として要約を認める
参考:
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第4回) (政府)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第6回) (政府)
- 文化審議会 著作権分科会(第23回)議事録・配付資料 [資料3] 第3節 権利制限の見直しについて (政府)
学説上の対立
参考:
- 著作権法における学説上の対立とその影響 (公的機関)
- 著作権法の解釈と適用に関する学説の対立点 (公的機関)
- 著作権法における学説の対立とその解決策 (専門組織)
- 拡張解釈賛成説:引用等の趣旨から要約利用を認めるべき
- 厳格解釈説:権利制限規定は狭く解釈すべきであり、要約は認めるべきでない
- 利益衡量説:要約引用の経済的影響を考慮して個別判断すべき
参考:
令和2年改正による変更点
参考:
- 著作権法の一部を改正する法律(令和2年法律第48号)について (政府)
- 令和2年著作権法改正の概要 (公的機関)
- 令和2年著作権法改正のポイントと実務対応 (専門組織)
- 30条の2第1項による翻案利用の削除(同条項の直接適用により対応)
- 「公衆提供等著作物」から「公衆提供提示著作物」への用語変更
- 施行日:令和2年10月1日

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