基本的な義務
参考:
- 音楽の著作権とは (公的機関)
- 著作権データベース (公的機関)
- 著作権制限規定により著作物を利用する際は、出所を明示する義務がある
- 明示方法は複製・利用の態様に応じて合理的と認められる方法・程度による
- 出所明示と併せて、原則として著作物に表示されている著作者名も示す必要がある
出所明示が必要な場面
複製の場合(必須)
- 引用及び官公庁広報資料の転載
- 教科用図書等への掲載
- 教科用拡大図書等の作成
- 点字による複製
- 司法・立法・行政目的のための複製
- 美術・写真作品の展示に伴う複製
利用の場合(必須)
- 学校教育番組の放送等及び教材への掲載
- 視覚障害者等のための福祉事業者による複製等
- 聴覚障害者等のための複製等
- 時事論説の転載・放送等
- 政治上の演説等の利用
- 美術の著作物等の譲渡申出に伴う複製等
参考:
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
- 著作権関係法令・条約集(令和6年版) (公的機関)
- 第66回文化審議会著作権分科会 (政府)
慣行がある場合(条件付き)
- 引用(複製以外の方法)
- 学校等教育機関における複製等
- 試験問題としての複製等
- 営利を目的としない上演・演奏等
- 時事の事件の報道のための利用
- 公開美術作品・建築作品の利用
- 電子計算機による情報処理に付随する軽微利用等
出所明示が不要な場面
- 私的使用のための複製(使用範囲が限定的)
- 図書館等における複製(利用者限定または著作物全体の複製)
- 視覚障害者等のための点字データ記録(内容が知覚不可能)
- 非営利目的の有線放送・伝達(技術的に不可能)
- 行政機関情報公開法等による開示
- 放送事業者等による一時的固定
- プログラム著作物の所有者による複製(自己使用限定)
- 電子計算機における著作物利用に付随する利用
参考:
- 著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム(第1回)議事次第 (政府)
- 文化審議会著作権分科会著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会(第3回) (政府)
- On Japanese fair use in Japanese copyright law (a followup article) (学術)
明示の具体的方法
参考:
- 広告での音楽利用 (公的機関)
書籍の場合
- 著者名、題号、出版社名
- 必要に応じて版数、頁数等
参考:
- 著作権法逐条講義(七訂新版) (公的機関)
- 著作権文献・資料検索 (公的機関)
美術・建築の場合
- 著作者名、所有者名、設置場所等
映画の場合
- 映画製作者、標題
参考:
- 著作権法と不正競争防止法の交錯問題に関する研究 (公的機関)
表示場所・方法
- 利用する著作物に近接して表示
- 対象となる部分を明確に特定
- 巻末参考文献のみの表示は不適切
参考:
- 著作権テレホンガイド (公的機関)
法的効果
民事上の効果
- 出所明示義務違反は著作権侵害とは別の問題
- 著作権者に差止請求権は認められない
- 出所表示請求権が認められる
- 損害賠償請求は証明困難
刑事上の効果
- 著作権法第122条により罰則の対象
著作者名表示の例外
- 出所明示により著作者名が明らかになる場合
- 無名の著作物である場合
- これらの場合は著作者名表示を省略可能
二次的著作物の場合
- 特定の規定により創作された二次的著作物を利用する際は、原著作物の出所も明示が必要
- 政治上の演説等の利用、公開美術作品・建築作品の利用等で創作された二次的著作物が対象
参考:
- 著作権契約マニュアル 第1章 第1節 (1) (政府)
- 著作権契約マニュアル 第2章 第6節 (2) (政府)

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