著作権法第63条 著作物の利用の許諾

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基本概念

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利用許諾制度の意義

  • 著作権者が排他的権利を有する著作物について、権利を保持したまま第三者に利用を認める制度
  • 著作権譲渡とは異なり、著作権者の地位を維持しながら利用を認める方法

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許諾の法的性質

  • 著作権者による単独行為(相手方の同意は不要)
  • 相手方への意思表示の到達により効力発生
  • 書面による必要はなく、黙示的許諾も可能

許諾の効果と範囲

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被許諾者の権利(利用権)

  • 許諾された利用方法・条件の範囲内で著作物を適法利用可能
  • 当該範囲での利用は著作権侵害に該当しない
  • 範囲を超えた利用は著作権侵害となる

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利用方法と条件の区別

  • 利用方法:複製、公衆送信、翻案等の支分権に対応する利用形態
  • 条件:各利用形態をさらに細分化する要素(媒体、場所、期間等)
  • 対価支払い等の付随的義務は「条件」に含まれず、違反しても著作権侵害とならない

独占的利用許諾

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独占的許諾の特徴

  • 同一利用方法での第三者への許諾を行わない旨の特約付き許諾
  • 著作権者と被許諾者間の債権的関係にとどまる
  • 原則として第三者への直接的権利行使は不可

第三者に対する効力の限界

  • 独占的被許諾者は無権限利用者に対する差止請求権を原則として行使できない
  • 例外的に債権者代位による差止請求が認められる場合あり
  • 悪意の後発利用者に対する不法行為責任追及は可能

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利用権の譲渡制限

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譲渡の要件

  • 利用権の譲渡には著作権者の承諾が必要
  • 承諾は単独行為で、黙示的意思表示でも可能
  • 承諾なき譲渡は効力を生じない

著作権譲渡時の利用権の保護(令和2年改正)

  • 利用権は著作権の譲受人等第三者に対して当然対抗可能
  • 登録等の対抗要件は不要
  • 包括承継の場合は従来通り対抗可能

特別規定

放送・有線放送の録音録画(第4項)

  • 放送・有線放送の許諾には録音・録画の許諾は含まれない
  • 契約に明示的な別段の定めがある場合は除く
  • 技術的必要性があっても自動的には含まれない

送信可能化の反復等(第5項)

  • 送信可能化の許諾を受けた場合の特例
  • 回数制限や装置指定以外の条件遵守を前提として、反復送信可能化や装置変更は著作権侵害に該当しない
  • デジタル配信における技術的制約への配慮

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実務上の留意点

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契約当事者の地位

  • 著作権譲渡により許諾契約上の地位は当然には移転しない
  • 地位移転には当事者間の合意と被許諾者の承諾が必要
  • 債権部分のみの譲渡は民法の対抗要件で処理

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破産時の取扱い

  • 利用権者は破産管財人に対しても利用権を対抗可能
  • 管財人による利用許諾契約の解除は制限される

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