著作権法第67条 著作権者不明等の場合における著作物の利用

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制度の概要

  • 著作権者が不明等の理由で許諾を求めることが困難な孤児著作物について、文化庁長官の裁定により利用を可能とする強制許諾制度
  • 公表済みの著作物や相当期間公衆に提供・提示されている著作物が対象
  • 使用料相当額の補償金を供託することで適法利用が認められる

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利用可能な著作物の範囲

  • 既に公表された著作物
  • 相当期間にわたり公衆に提供・提示されている事実が明らかな著作物
  • 公表権者が非公表であることが客観的に明らかな場合は対象外

裁定を受けるための要件

権利者調査の義務

以下の3つの措置を全て実施し、それでも著作権者と連絡できないことが必要:

  • 文化庁長官指定の刊行物・資料の閲覧またはウェブサイト検索
  • 著作権等管理事業者や関連団体への照会
  • 日刊新聞紙掲載またはCRICウェブサイトでの7日以上の権利者情報提供要請

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申請手続き

  • 著作物の利用方法等を記載した申請書の提出
  • 著作権者と連絡できないことを疎明する資料の添付
  • 裁定までの期間は約2ヵ月程度

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補償金の取扱い

一般の利用者

  • 文化庁長官が文化審議会に諮問して決定した補償金の事前供託が必要
  • 供託を欠く場合は著作権侵害となる
  • 一般的な利用料金を参考に利用方法・期間等を考慮して決定

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国・地方公共団体等

  • 事前供託は不要
  • 著作権者と連絡がついた時点で直接補償金を支払う義務
  • 独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、NHKも同様の扱い

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利用上の制限と義務

利用範囲

  • 裁定の範囲内での利用に限定され、範囲を超える利用は著作権侵害
  • 裁定を受けた地位の他人への譲渡は不可

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著作者人格権への配慮

  • 同一性保持権の侵害行為は裁定を受けても認められない
  • 氏名が明らかな場合は氏名表示が必要

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表示義務

  • 裁定により作成した複製物には裁定対象である旨と裁定年月日の表示が必要
  • 義務違反に対する罰則は存在しないが、著作権者への気づきを促す目的

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