制度の概要
- 補償金額について不服がある当事者が額の増減を求める訴えを起こせる制度
- 行政訴訟の特例として位置づけられ、当事者訴訟の形式を採用
- 処分庁を相手とする抗告訴訟ではなく、利害関係者同士の訴訟とする
参考:
- 文化審議会著作権分科会司法救済制度小委員会報告書-II:検討の結果-1:損害賠償制度の見直しについて (政府)
- JRRCマガジンNo.440 最新著作権裁判例解説33 (公的機関)
- 裁判例の速報・解説 | 有斐閣Online (学術)
出訴の要件
- 出訴期間:裁定を知った日から6か月以内
- 対象となる補償金:
- 著作権者不明等の場合における著作物利用(67条1項)
- 裁定申請中の著作物利用(67条の2第5項・6項)
- 著作物の放送(68条1項)
- 商業用レコードへの録音等(69条)
参考:
- 著作権者不明等の場合の裁定制度 (政府)
- 権利者を捜しています | 公益社団法人著作権情報センター CRIC (公的機関)
対象外の補償金
- 教科用図書等への掲載(33条2項)
- 教科用拡大図書等の作成(33条の2第2項)
- これらは一般的料金表による定めのため、行政不服審査法による審査請求または行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟の対象
参考:
- 「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律改正」に伴う著作権法改正について (政府)
- 文化審議会著作権分科会(第12回)-配布資料3-1:「拡大教科書」の作成に係る権利制限について (政府)
- 著作権法第33条の2一部改正(2008年9月17日施行) (公的機関)
訴訟の当事者
- 利用者が原告の場合:著作権者を被告とする
- 著作権者が原告の場合:利用者を被告とする
- 文化庁長官は当事者とならない
- 補償金額に直接の利害関係を有する者同士での訴訟が合理的
訴えの性質
- 裁定自体の効力を争わずに額の増減のみを求められる
- 行政事件訴訟法上の当事者訴訟として扱われる
- 裁定自体への不服による抗告訴訟は別途可能
特殊事例の救済
- 著作権者不明の場合は当事者とできないため事実上出訴不可
- この場合は73条ただし書により行政不服審査法による審査請求で救済
参考:

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