著作権法第76条(第一発行年月日等の登録)

条文の概要

  • 著作物の最初の発行・公表年月日を登録により公示する制度
  • 無名・変名の著作物については発行者も登録可能
  • 登録された年月日に最初の発行・公表があったものと法的に推定

登録申請者

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著作権者

  • 実際の発行・公表行為は通常著作権者が行うため、著作者ではなく著作権者が申請
  • 著作権を第三者に全部譲渡した著作者は申請不可
  • 支分権が複数人に分かれている場合、いずれかの支分権を有していれば申請可能

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無名・変名の著作物の発行者

  • 著作者名が表示されていない著作物(無名)
  • 実名と異なる名称が表示されている著作物(変名)
  • 発行者とは、複製権者として相当程度の部数の複製物を作成・頒布した者
  • 著作権者と発行者が別人の場合、いずれも単独で申請可能

登録対象と手続

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対象著作物

  • すべての種類の著作物が対象
  • 日本国外で発行・公表された著作物も含む
  • プログラム著作物は創作年月日登録と併用可能

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登録内容

  • 第一発行年月日:相当程度の部数の複製物が頒布された年月日(原則50部以上)
  • 第一公表年月日:最初に上演・公衆送信・口述・展示により公衆に提示された年月日
  • 建築著作物は建築がなされた年月日

申請要件

  • 申請者が著作権者か発行者かの記載
  • 第一発行・公表年月日を証明する資料の添付
  • 登録期限の定めなし

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法的効果

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推定効

  • 登録年月日に最初の発行・公表があったものと法律上推定
  • 著作物性の推定効果はなし
  • 反証により推定の覆滅が可能

実務上の意義

  • 無名・変名・団体名義・映画著作物の保護期間起算点の確定
  • 権利制限規定適用の判断基準
  • 著作権原簿による権利者の公示効果
  • 後の利用者にとっての利便性向上

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注意事項

  • 共有著作物で一部共有者のみが単独登録した場合、他の共有者の権利行使に支障
  • 発行地の推認機能や公証機能は実質的になし
  • 書籍の奥付は実際の発行日と異なる場合が多く証明資料として不適切

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