概要
- 出版権者が義務違反をした場合、複製権等保有者が出版権を消滅させることができる制度
- 著作者の思想変化に対応した廃絶請求権も規定
参考:
- 出版に関する「著作権」の概要を弁護士がわかりやすく解説 – 伊藤海法律事務所 (専門家)
- JRRCマガジンNo.308 最新著作権裁判例解説5 | 公益社団法人日本複製権センター(JRRC) (公的機関)
- 著作物等のライセンス契約に係る制度の在り方に関するワーキングチーム(第2回) | 文化庁 (政府)
1項:初回出版義務違反による消滅請求
参考:
- Right to Make Transmittable (公的機関)
適用要件
- 出版権者が81条1号イまたは2号イの義務に違反
- 原稿等の引渡しから6か月以内の出版行為または公衆送信行為を怠った場合
- 設定行為で別の期間を定めることも可能
参考:
- 著作権法における出版権の意義とその適用要件 (公的機関)
- 出版権の設定とその効力について (政府)
- 日本の著作権法における出版権の適用要件と実務上の留意点 (専門組織)
消滅手続
- 複製権等保有者が出版権者に通知するだけで効力発生
- 通知が到達した時点で出版権消滅
- 期間経過後に出版行為を行っても消滅請求は可能
参考:
- 著作権法における出版権の終了と通知義務 (公的機関)
- 日本著作権法における出版権の消滅とその影響 (政府)
消滅範囲
- 違反した義務に対応する出版権のみ消滅
- 81条1号イ違反→第1号出版権消滅
- 81条2号イ違反→第2号出版権消滅
2項:継続出版義務違反による消滅請求
適用要件
- 出版権者が81条1号ロまたは2号ロの義務に違反
- 慣行に従った継続的な出版行為等を怠った場合
- 設定行為で継続義務を免除することも可能
参考:
- 著作権法コンメンタール<改訂版>Ⅱ (専門家)
- JRRCマガジンNo.357 最新著作権裁判例解説16 (公的機関)
消滅手続
- 3か月以上の履行催告が前提条件
- 催告期間内に履行されない場合に通知可能
- 催告は到達時から期間計算開始
参考:
- 著作権法における解除の手続きと要件 (公的機関)
- 契約解除に関する法的解説 (専門組織)
3項:著作者による廃絶請求
請求権者の限定
- 複製権等保有者である著作者のみ
- 法人合併・分割による承継は可能
- 著作者死亡後の遺族による行使は不可
廃絶要件
- 著作物の内容が自己の確信に適合しなくなった場合
- 思想または感情の変化が対象(表現方法は除外)
- 出版権者への不信感だけでは不十分
損害賠償義務
- 出版権者に通常生ずべき損害の事前賠償が必要
- 賠償対象:回収費用、廃棄費用、逸失利益等
- 合理的算定に基づく賠償で効力発生
参考:
- 著作権侵害と損害賠償の算定方法 (公的機関)
- 著作権侵害における損害賠償の実務 (専門組織)
既存複製物の取扱い
- 譲渡済み複製物:譲渡権消尽により回収義務なし
- 委託販売品:所有権留保により譲渡権侵害の可能性
- ダウンロード済み:再ダウンロードは禁止
共通事項
参考:
- 著作権Q&A (公的機関)
- 著作権法入門 2024-2025 (公的機関)
通知の効力
- 意思表示として相手方への到達で効力発生
- 公示送達による通知も可能
- 将来に向かって出版権消滅
複製権等保有者の範囲
- 複製権または公衆送信権を有する者
- 設定後の権利譲渡により変更される場合あり
- 消滅させる出版権の種類に応じた権利保有が必要
参考:
- JASRAC概論―音楽著作権の法と管理 (専門家)
- COPYRIGHT LAW OF JAPAN (公的機関)
- COPYRIGHT SYSTEM IN JAPAN (公的機関)
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