誓約書:誓約書をとれば法的に義務が発生するのか

従業員から秘密保持に関する誓約書を集める予定にしています。秘密保持契約書のような詳しい内容のものではないのですが、法的には効力があるものなのでしょうか。

従業員から徴収する秘密保持契約書には、通常は秘密保持義務や損害賠償義務が規定されています。もっとも労働契約上、従業員は当然に秘密保持義務を負っており、また、民法415条や709条により、情報を漏洩させた場合には、損害賠償義務を負うこととなります。そのため秘密保持契約書のこれらの規定は既存の法的義務を確認する性質がありますが、対象や範囲を明確にし、義務を認識していたことの証拠とする意味があります。また損害賠償額の予定や違約金条項を入れる場合もありますが、労働基準法16条が、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定める契約を禁止しています。実際に発生した損害の賠償請求とは区別します。 もっとも日本人は一般的には律儀ですので、機密保持誓約書に署名すると、「情報を漏洩してはいけない」という意識がかなり高まります。そのため事実上情報漏洩防止の効果は高まるでしょう。 また、社外への持ち出し禁止や退職時の返却などの情報の安全のためのルールは、法的に必ずしも従業員が義務を負っているわけではありません。そこで誓約書雛形を会社側で作成する際には、これらの条項を盛り込むと効果のより高い誓約書となるでしょう。