労働債務不履行:すぐ働ける人という条件で募集したのにすぐには働けない内定者の責任は

「すぐに働ける人」という条件で採用募集を行い、応募してきた方数名の中から1名を採用しました。ところが採用を決定した後になって、「実はすぐには働けない」と言われました。この人に何か損害の賠償を請求することはできますか。

一旦労働契約を締結すれば、雇用者には賃金の支払義務が発生する一方、労働者には労務の提供義務が発生します。労働者が当初の契約の前提となっていた労務を正当な理由無く拒む場合には、労働債務の不履行となり、これにより発生した損害を請求できる可能性があります。たとえば当該労働者が労務を提供しなかったことにより事業上発生した逸失利益や、再度の募集が必要になった場合にはその費用などが損害となります。ただし他の人を雇った場合の賃金については、欠勤した当人に支払わなくても良い以上、差額がない限りは損害となりません。

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