業務委託と著作権の帰属:契約書に取り決めが無い場合誰に帰属するのか

当社はシステム開発会社です。ある開発案件で、著作権に関する取り決めが全く書かれていない契約書を使用して契約を締結していました。このとき、著作権は、当社と委託者とどちらに帰属するのでしょうか。

契約書上での取り決めが欠落している場合には、法律と当事者間の合理的な意思を解釈することになります。 著作権については法律上、創作した者またはその使用者に帰属することとされています。そのため開発委託の場合には、原則として受託者に著作権が帰属することになります。これに対し、契約書外(口頭など)で著作権を委託者に移転させる旨合意していたり、継続的な取引において常に著作権を移転させていたという事情がある場合には、著作権が移転していると解釈する余地があります。 なお著作権が受託者側に帰属する場合には、開発委託をしたことから当事者の合理的な意思を解釈すると、著作権の移転を留保する以上は、委託者に開発成果物の使用を許諾するという意思があったということになります。そして成果物が委託者特有の業務を反映したものであったり、委託者の企業秘密を含むようなものの場合には、独占的な使用許諾、つまり他の第三者には使用許諾しないという意思の下に開発されたと解釈される可能性が高いでしょう。

使用者に著作権が帰属するのは、職務著作の要件を満たす場合です(15条)。代金を払っただけで委託者へ当然に移転する制度ではありません。譲渡を定める場合も、翻案権等(27条・28条)は譲渡契約に特掲しなければ譲渡人に留保されたものと推定されるため(61条2項)、利用範囲とともに明確にします。