謝罪による責任発生の有無:謝罪したことが原因で法律上の賠償責任が発生したり重くなったりするか
お客様と何らかのトラブルが発生したとき、企業側が「申し訳ございません」等のお詫びの言葉を述べたとき、それが根拠となって法的な責任を負ったり、責任が拡大することはありますか 。
日本では企業と顧客(個人法人を問わず)との間でトラブルが発生したときに何はともあれ「申し訳ございません」とお詫びをお伝えするのは社会的な常識と捉えられています。そのためこの様なお詫びの言葉を口にした場合であっても、道義上または社会的儀礼上から述べたのみであって、法的な責任を認めたものではないとされることが通常です。当職が聞くところの訴訟の例でも、このようなお詫びの存在を裁判所は責任の根拠と捉えることは希のようです。
ただし「全額を当社が支払う」など具体的な賠償の約束や和解の合意までした場合は別です。謝罪の表現だけでなく、交渉全体でどのような事実や支払義務を認めたかによって判断されるため、説明内容を記録し、儀礼的なお詫びと具体的な対応の約束を明確にします。