削除義務の有無:保有している個人情報の削除を求められた場合削除しないといけないのか

当方は通信販売を行っている会社です。あるお客様より「もう通信販売を利用しないので自分の個人情報を削除して欲しい」との要求を受けました。このお客様に対しては今後DM送付などの営業活動は行わない予定にしておりますが、営業データを分析したり、あとあとトラブルになったときのために、個人情報は保管しておきたいと考えています。当社において削除する義務はあるのでしょうか。

適法に取得した情報でも、本人からの削除・利用停止の請求に一切応じなくてよいわけではありません。現行の個人情報保護法35条は、目的外利用、不適正利用、不正取得等の場合に加えて、利用の必要がなくなった場合、一定の漏えい等が生じた場合、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合にも、保有個人データの利用停止・消去等を求める制度を設けています。

したがって、まず当該情報が保有個人データか、どの請求理由に該当するか、請求に理由があるかを確認します。多額の費用を要する等で利用停止等が困難な場合の代替措置など、条文上の例外もあります。請求について行った措置、又は措置を行わない旨は、遅滞なく本人に通知します。

営業分析や紛争対応の必要性が具体的に残る情報と、既に利用の必要がなくなった情報を分け、法令上の保存義務や保存期間も確認します。データを利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努める義務もあります(22条)。DM送付を止めることと、全ての取引記録を削除することは同じではありません。