元請け名義での営業行為:外注先に自社の名刺を持たせることの可否
顧客との対応を下請に行わせるときに、自社の名刺を持たせ、自社の名義で対応させるのは法的に問題が生じますか?下請が顧客に訴えられることはありますか?
顧客との契約中に再委託についての禁止条項がある場合には、下請にこのような行為を行わせると契約違反となります。逆に許容する旨の条項がある場合には、通常は契約違反にはなりません。どちらとも規定されていない場合には、契約の趣旨からして、その業務について自社が直接取り扱うことを前提としていたか否かによります。 下請が顧客に対して直接、不法行為責任を負うかは、元請の契約違反の有無だけでは決まりません。そして下請が業務を遂行したことによって、顧客に具体的な損害が発生し、下請に故意又は過失がある場合には、損害の賠償を請求するために顧客が下請を訴えることが可能になります。もっとも自社が直接業務を取り扱わなければならない特別の理由が存在していたような場合でなければ、顧客に賠償対象となるような損害が発生することは少ないでしょう。
下請が契約締結まで行うときは代理権の範囲を明確にしておく必要があります。名刺を持たせたことが代理権の表示と評価される場合もあるため、元請名義で約束できる範囲を事前に定めます。