個人情報Q&A (81)

川内 康雄

メールアドレスの個人情報該当性 : メールアドレスは個人情報か

メールマガジンを発行していますが、申し込みの際にはメールアドレスと年齢、性別のみを提供してもらってます。このメールマガジンの受信者一覧表は個人情報を含んでいることになりますか? メールアドレスは単純な記号の羅列に過ぎませんので、通常は個人情報に該当しないでしょう。もっとも個人名@会社名.co.jpといった形で、「●●株式会社の××さん」と特定できる場合には、個人情報に当たると判断される可能性があります。 判断はメールアドレスの文字列だけでなく、事業者が他の情報と容易に照合できるかも含めて行います。例えば申込履歴や顧客台帳と結び付くアドレスは個人情報になり得ます。特定個人を識別できない場合でも、年齢・性別等と結び付いたメールアドレスが個人関連情報に当たり、第三者への提供方法によって31条の規律が問題となることがあります。

Continue reading...
川内 康雄

非生存者(死者)の個人情報保護 : 死者の個人情報は法律上の個人情報か

葬儀屋を経営していますが、お亡くなりになられた方がどのようなお式を挙げられたのかについての情報が集積しています。この情報は個人情報にあたりますか? 個人情報保護法上は「個人情報」に該当しうるのは「生存する個人」についてのもので無ければならないとされていますので、亡くなられた方の情報は個人情報と見なしません。もっとも通常、そういった記録の場合には喪主の名前も併記されるでしょうから、喪主の個人情報として、保護の対象となる可能性が高いでしょう。 ただし、死者の個人番号については、番号法のうち個人番号を対象とする利用制限・安全管理措置等の規定が適用されます(番号法12条等)。死者の情報が特定個人情報に該当するという意味ではありません。死亡したからといって個人番号の保護が不要になるわけではない点に注意します。

Continue reading...
川内 康雄

統計情報の個人情報該当性 : アンケートと集計結果それぞれの該当性

ある新製品を企画するにあたり市場調査を行う予定です。無作為に抽出した対象者から氏名や住所、年齢、性別まで記載していただいたアンケートを収集します。この市場調査の結果は個人情報保護法上個人情報にあたりますか。 個人情報保護法において個人情報とは「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」とされています。アンケートに記載されている氏名住所等であれば、この情報で特定の個人を識別することが可能になりますので、個人情報といえます。これに対し、市場調査の結果である年齢別の新製品に対する関心の高さは、「関心があると答えた人の割合」といった形で、あくまでも統計情報のみが記載されるのであれば、個人情報にはなりません。 ただし、集計の区分が細かすぎて特定の人が分かったり、元の回答や他の情報と容易に照合して本人が分かったりするものは、統計という名称だけで対象外にはなりません。氏名を削除した個票と、個人との対応関係がない統計情報も区別します。

Continue reading...
川内 康雄

公開されている個人情報の取り扱いについて:公の情報も個人情報に該当するのか

商業登記簿や特許公報には代表者や出願人の個人情報が掲載されており、一般的に公開されているかと思います。このような情報も法律上保護されるのでしょうか。 一般に、個人情報の取り扱いにあたっては、個人情報保護法とプライバシー権に配慮する必要があります。まず個人情報保護法については、法律の対象となる個人情報について、第2条1項により、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる 氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」と定義しており、公開済の情報か否かを問うていません。そのため、たとえ公開情報であっても、個人情報保護法における「個人情報」には該当することになります。なお個人情報保護法においては「個人情報」に該当したことにより発生する義務は、利用目的の特定・これによる制限(17・18条)、適正取得(20条)、取得の際の利用目的の通知(21条)程度です。個人情報がデータベース化され、「個人データ」(16条3項)となったときには、正確性の確保(22条)、安全管理措置(23条)、従業者の監督(24条)、委託先の監督(25条)、第三者提供の制限(27条)などが義務として追加されることになります。一方、プライバシー権については、裁判先例上は、プライバシー権が発生するのは、非公開情報のみとされています。そのため既に公的に公開されている個人情報を取り扱う場合には、よっぽどのことが無い限りは、プライバシー権を侵害したと言うことにはならないでしょう。 個人情報保護法は要配慮個人情報の取得、不適正利用、個人データ漏えい等の報告等も規定しています。公開された情報であっても、不当な目的での再集積・提供が許されるとは限らず、利用方法と他人の権利利益への影響には配慮が必要です。

Continue reading...
川内 康雄

個人情報の定義:自社では個人の特定ができないが委託元では特定可能な情報は該当するか

会員システムに関する業務を受託しています。会員番号のみを委託元から預かりますが、会員名簿を保有していないので、当社での個人の特定は不可能です。もっとも委託元では対照可能ですから個人の特定可能です。この情報(会員番号)は個人情報に該当しますか。 ある一定の情報が個人情報保護法上の「個人情報」に該当するか否かについては、相対的なものといわれています。つまりある情報が、ある個人情報取扱事業者の元では個人情報に該当し、別の個人情報取扱事業者の元では個人情報に該当しないというケースが生じることになります。ご質問の事例では、御社においては対象となっている情報(会員番号)については個人情報に該当せず、通常の個人情報に関する規定の適用は、この識別・照合可能性を前提に判断します。一方、委託元においては、会員番号のみであっても、保有している会員名簿によって容易に個人を特定することが出来ます。そのためこの情報は委託元においては個人情報に該当し、個人情報保護法上の各規定が適用されることになります。つまり同じ情報であっても、保有している主体によって、個人情報に該当するかどうかが分かれるということです。 ただし、法定の個人識別符号が含まれていれば、氏名との照合ができなくても個人情報です。また、受託者で識別できない会員番号等でも、個人関連情報として31条の規律が問題になる場合や、委託契約上の管理義務があります。委託元から容易に照会して本人を特定できる等の実態も含めて確認します。

Continue reading...