属地性:外国企業が外国で登録している権利は日本で行使できるのか

属地性:当社は米国でカラーコーディネイトに関するコンサルティングを行っている会社です。米国で商標登録されている当社のキャッチコピーや、当社が独自に創作したビジネスのコンセプトが、日本のある企業に盗用されているのを発見しました。この会社を訴えて、盗用を止めさせたり、損害賠償をすることはできますか。

日本において知的財産権を主張するためには、日本の各知的財産権に関する各種法律に定められた条件を満たす必要があります。例えば米国で商標権を取得していたとしても、日本国内で商標を申請、登録していない場合には、商標権は一切認められません。おそらく御質問のキャッチコピーも日本では商標登録されていないものと思われますので、日本で商標権を主張することはできません。またビジネスのアイディアそのものは、ビジネスモデル特許として登録されていない限りは、原則としては知的財産権によって保護されません。もっとも、知的財産権の中でも、著作権や不正競争防止法上の営業秘密保護や著名表示・商品形態保護は事前の登録手続き等が不要です。御質問のケースでは、これらによる保護が可能かどうかを検討すべきでしょう。著作権によって保護されるためには、まず①キャッチコピーやビジネスのコンセプトが、文書や図案として具体的に表現されている必要があります。②そしてこれらの表現内容がありふれたものでなく、創作性(オリジナリティ)を有していることが必要です。キャッチコピーについては、文書としてかなり短いでしょうから、著作権が認められるためには、相当の創作性が必要でしょう。ビジネスのコンセプトについては、これが宣伝文書やマニュアルとして制作されている必要があります。なおこれらのキャッチコピーやコンセプトが日本語に翻訳されていても、著作権者には翻案権という権利が認められています。そのため著作権者に無断でした翻訳も著作権侵害となります。著作権侵害と言える場合には、損害賠償や差止請求が可能です。また不正競争防止法上の営業秘密に該当する場合にも差止や損害賠償請求が可能です。営業秘密に該当するためには、①秘密として管理されている情報であって、②実際に一般的には知られておらず、③営業上有用な情報であることが必要です。キャッチコピーについては公に宣伝している内容ですので営業秘密には該当しないでしょう。一方、ビジネスのコンセプト、ノウハウについては、これを秘密として管理してきた実績があるのであれば、営業秘密に該当する可能性があります。さらに不正競争防止法では、著名性を有している商品・サービスの名称や発売されて3年以内の商品の形態が模倣された場合には、模倣した者に対する差止、損害賠償請求権が認められています。なおこれらの不正競争防止法上の権利は容易には認められないことが多いですから注意が必要です。

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