賃貸人の地位の移転:賃貸物件が転売された後新オーナーから保証金を返してもらえるのか
賃貸オフィスに入居しているのですが、家主の経済的な状況が思わしくないようで、賃料の差押命令が来ました。今後もしかするとビルが転売されて家主が変わる可能性があると思っています。その際に保証金は新しい家主から返してもらえるのでしょうか。
賃貸物件が譲渡された場合には、賃貸人としての地位が移転し、保証金についても新しい家主に返還を請求することができます。 ただし物件の譲渡前に元の家主が破産や民事再生などの倒産手続きを行った場合には、保証金の返還請求権は一般破産債権となりますので、実際には返還を受けることが困難です。また賃借権が抵当権などの担保権に劣後する関係で、退去を強制されたくなければ保証金を入れ直せと要求されてしまう場合があります。 そのため家主がこれらの倒産手続きに入りそうかどうかは十分に注視しておくべきでしょう。
現在は民法605条の2に賃貸人の地位の移転と敷金返還債務等の承継が明文化されています。原則として賃借権に対抗力がある場合には賃貸人の地位が譲受人に移転します。譲渡前に旧賃貸人が破産したことだけで新賃貸人への敷金返還請求が常に否定されるわけではなく、賃貸人の地位が承継されたか、保証金の実質が敷金か、未払賃料への充当等を確認します。