オープンソース (22)

川内 康雄

保証の有償提供:オープンソースソフトウェアを保証有りで提供する事は可能か

顧客にオープンソースソフトウェアを利用したシステムを提案していますが、「保証をつけて欲しい」と頼まれています。オープンソースソフトウェアは無保証のはずですが、当社が独自に保証をつけることは出来ますか? オープンソースライセンスによる無保証の規定は、あくまでも不特定の開発者と、不特定のソフトウェア利用者との間の原則にすぎません。そのため、一個人、一企業が、特定のソフトウェアの利用者に対して保証を提供することは、ライセンスでは禁じられていません。このとき、保証の提供者が、当該オープンソースソフトウェアの開発に参加していようとも、参加していなくても、保証を提供することができます。 例えばGPLv3は4項で有償のサポート・保証を認めています。MPL2.0の3.5項では、自らの責任で保証等を引き受け、他の貢献者が保証していると誤解させず、他の貢献者に生じる責任への補償等も必要です。保証対象、対応期間、除外事項、費用、賠償範囲を自社と顧客の契約で具体化します。

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川内 康雄

サポートの有償提供 : オープンソースソフトウェアのサポートを有料で提供してもいいですか

オープンソースソフトウェアは無償で利用出来るわけですが、インストールやメンテナンスサービスを有償で提供することはできますか? オープンソースライセンスは一般に商用利用や有償の再配布を認めており、ソフトウェア自体も常に無償で配布しなければならないわけではありません。サポートの有償提供も可能です。そのため、サポートを有償で提供したとしても、ライセンス契約に違反するわけではありません。またGPLはライセンス中で、サポートが有償で提供されることを是認しています。 GPLv3の4項はコピーに任意の価格を付けることと、有償サポート・保証を明示的に認めています。ただし、ソフトウェアを配布するなら表示・対応ソースコードの提供等の条件を守る必要があります。

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川内 康雄

オープンソースソフトを利用したパッケージソフト開発:オープンソースソフトを組み込んだソフトは販売可能か

自社で開発したソフトウェアとオープンソースソフトウェアを組み合わせて、新しいソフトウェアを開発することを企画しています。この開発成果物はパッケージソフトとして販売可能ですか? この問題を検討する場合には利用しようとするオープンソースソフトウェアに適用されているライセンスの種類を判別することが重要です。 GPLが適用される結合物であっても、パッケージを有償で販売して利益を得ることは可能です。配布価格を実費だけに限定する規定はありません。ただし、受領者に対してGPLの条件で利用・改変・再配布を認め、著作権表示、ライセンス文、対応ソースコードの提供等の義務を履行する必要があります。そのため、ソース非開示や再配布禁止を前提とした販売モデルには適合しない場合があります。これに対しGPLが伝搬しない場合には、新たなソフトウェアに、従来型のソフトウェアライセンス条項を付すことができますので、特に問題はありません。 LGPL型のライセンスの場合で、利用するソフトウェアに改変を加えている場合には、そのライセンスを承継(パッケージの購入者に引き続き適用する)し、改変部分についてのみソースコードの公開等の制限を適用した上で、新たなソフトウェアをパッケージソフトウェアとして販売することができます。利用するソフトウェアに改変を加えない場合には、ライセンスを承継する限り、パッケージソフトウェアとして販売する際に特に大きな制限はありません。 いわゆるBSD型のライセンスが適用されたソフトウェアを利用する場合には、ライセンスを承継すること以外には制限がありません。さらに一般的には、改変後のソフトウェア全体(もともともBSD型ライセンス適用部分も含む)について、ソースコードを非開示とし、改変を禁止することが可能です。 LGPLは改変の有無だけで条件が決まらず、結合物の配布における表示、ライブラリのソース、差替え・再リンクを可能とする条件等も確認します。BSD系も全て同一ではなく、著作権・許諾・免責表示や、名前を販促に使わない条件等を実際のライセンス文で確認します。

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川内 康雄

開発者の責任 : オープンソース開発でバグがあるコードをコミットしてしまった場合責任を負うか

あるオープンソースの開発プロジェクトに参加したいと思っています。このプロジェクトの成果物は既に世界的に利用されているのですが、もし私が製作した部分に瑕疵があり、世界中で損害を発生させてしまった場合に、私は責任を負うのでしょうか? オープンソースの定義には含まれていませんが、現在のオープンソースライセンスはほぼすべて、ソフトウェアの無保証、開発者の責任免除が規定されています。このような責任免除規定が法的に本当に有効なのか否かについては若干の議論があるところです。しかし仮に裁判になったとしても、開発者が故意に瑕疵を含めたという場合でもない限り、開発者が損害賠償請求を受けるということはないでしょう。 もっとも、ライセンスの免責がどの範囲で有効かは適用法や契約の実態によります。無償の共同開発への貢献と、有償で品質を保証した受託開発・サポートは区別します。重大な過失や別途引き受けた保証まで、OSSであるという理由だけで必ず免責されるとは限りません。

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川内 康雄

オープンソースソフトを利用した受託開発の注意点 : オープンソースを使った開発で気をつけるべき点は何か

ソフトウェアを受託開発する際、GPLが適用されているソフトウェアを利用したいと考えています。どのような点に注意すべきですか? まず大切なことは、新たに開発するソフトウェアに、GPLが伝搬するかどうかを検討することです。 次にGPLが伝搬する場合には、委託者に対し、開発後のソフトウェアにはGPLが適用され、配布の方法に応じて、受領者に対応するソースコードを提供する義務等が生じるということの理解を得ることです。さもないと、ソースコードの提供義務等を伴うソフトウェアを作成したということで、契約不適合責任による損害賠償請求や契約解除がなされてしまう恐れがあるためです。もっとも受託開発の契約の実務において、このような理解を得ることは容易ではないでしょう。 GPLが伝搬しない場合でも、委託者に対し、GPLが適用されるソフトウェアを使用していることは、明確に伝えておかなければなりません。受託開発においては、多くの場合、委託者に著作権を移転させることとされています。GPLが適用されているソフトウェアについては、委託者に著作権を移転させることが不可能ですので、この部分で損害賠償請求がなされてしまう恐れがあります。また後になって、「無料のソフトウェアを利用したのだからもっと安くしろ」といったクレームを受ける恐れもありますので、開発当初から理解を得ておくことは非常に重要です。 GPLを使ったというだけで全ソースをインターネット上に一般公開する義務が生じるわけではありません。適用バージョン、単なる併存か結合物か、成果物を誰にどの方法で渡すかを整理して、著作権表示、ライセンス文、対応ソースコードの提供方法を契約で確認します。

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