マイナンバー (17)

川内 康雄

利用:企業として利用を拒否することはできるのか

個人番号を漏洩させるとプライバシー侵害になってしまうのであれば、そんな情報はそもそも扱いたくありません。これまでと同じように個人番号など遣わずに会社を運営したいのですが可能でしょうか。 個人番号の利用は企業の法律上の義務になりますので、企業の一存でこれを回避することはできません。企業の側からするとこんな制度を作って勝手に義務ばかり課せられるというのは納得のいかない点も多いでしょう。ただ脱税や社会保障不正が多発している現状では、こういった制度の導入の必要性が高く、企業として協力することになるのはやむを得ないでしょう。 具体的には、給与所得の源泉徴収票等の作成や社会保険の届出など、各法令で番号の記載等を求められる事務について扱います。会社の全業務で自由に利用する制度ではありません。法定事務の範囲を特定し、利用目的を明示し、本人確認・アクセス制限・不要時の廃棄等を整えます。個々の提出書類では番号記載の対象・省略の取扱いが異なるため、手続ごとの要件に従います。

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川内 康雄

利用:従業員が提出を拒否した場合

企業がマイナンバー法に準拠して法定調書の提出をしようとした場合、まずは従業員からマイナンバーを教えてもらわないといけないということになると思います。ただ会社のことが信頼できないとか、この制度がきらいだとか、通知カードを無くしたとかで、番号を提出しない人が必ず出てくるはずです。こういった場合でも企業が法律違反を犯したことになってしまうのでしょうか。 従業員が提供を拒んだというだけで、適切に対応した企業が直ちに制裁を受けるというものではありません。ただし、企業には個々の税・社会保障関係法令に基づく書類作成・提出の義務があるため、まず記載義務と利用目的を説明して提供を求めます。 国税庁の取扱いでは、なお提供を受けられない場合、求めた経過等を保存するなど、単なる義務違反と区別できるようにすることが望ましいとされています。この記録保存自体が法令上の義務とされているわけではありません。本人の拒否理由を細かく記録する必要まではなく、求めた時期と提供を受けられなかった事実が分かるようにします。 税務署は番号の記載がなくても書類を収受する取扱いとしていますが、記載義務自体がなくなるわけではないため、今後の書類作成に向けて引き続き提供を求めます。これは税務の取扱いですので、社会保険等ではそれぞれの提出先の案内を確認してください。

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川内 康雄

個人情報保護法との関係:個人番号は個人情報ですか

個人番号は個人情報保護法の個人情報として扱わないといけないのでしょうか。具体的には利用目的の開示等の義務が課されるかどうかが知りたいです。 個人番号は個人情報保護法上の個人情報に該当します。個人情報保護法上の個人情報とは、生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの(他の情報との容易な照合による場合を含みます。)又は個人識別符号が含まれるものです。企業が個人番号を従業員から提出を受ける際には、本人確認もしているわけですので、その番号が誰の番号なのかを確実に照合できる形で保有していることになります。ですので個人情報保護法も適用されますから、マイナンバー法には無いけれども個人情報保護法には規定されている義務も、マイナンバーに関する義務となります。 個人番号そのものも法定の個人識別符号に該当するため、氏名が付いている場合だけが個人情報となるわけではありません。個人番号を含む個人情報は番号法上の「特定個人情報」であり、通常の個人情報より利用・提供・収集等が厳しく制限されます。本人から給与等の事務のため直接書面で取得する際には、その利用目的をあらかじめ明示します。

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川内 康雄

利用拒否:利用を望まない個人が付番を拒否できるか

私はマイナンバー制度に反対しているので、番号を付けられることも拒否したいのですが可能でしょうか。 マイナンバーは2015年10月から各自治体による通知が始まりました。これは個人の否応なしに実施され、個人としていくら番号付けされたくないと国や自治体に申し立てたとしても、強制的に付番され、通知されることになります。自治体から送られてくる通知書類を廃棄したとしても、個人番号は住民票記載事項ですので、記録は無くなりません。 もしマイナンバー法に違憲訴訟が提起されて無効となれば拒否できるのかも知れませんが、その見込みはまず無いといっていいでしょう。 付番と、マイナンバーカードの申請・取得は別の制度です。カードの取得は本人の申請によるものであり、カードを申請しなくても個人番号自体がなくなるわけではありません。通知カードは2020年5月25日に廃止され、その後の新規付番の通知には個人番号通知書が用いられます。

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川内 康雄

収集:個人番号の収集可否

マイナンバーは国民全員に付けられるということですから、これを収集すれば、消費者マーケティング上非常に有益なデータベースを作ることができると思います。本人の同意の下で集めるのであれば問題無いと考えてよいでしょうか。 マーケティング用に個人番号を収集することは、本人の同意があっても認められません。番号法は、利用できる事務、提供を求められる場合、収集・保管できる場合を限定しています(9・15・19・20条)。 ただし、民間での利用が全面禁止という説明は正確ではありません。企業も源泉徴収票の作成や社会保険の届出等、法令が認める事務に必要な範囲で取り扱います。その番号を広告配信・顧客分析・会員番号に転用することはできません。 また、番号そのものの利用と、マイナンバーカードを本人確認書類や電子証明書による認証に使うことは区別します。カードを提示されたからといって、裏面の番号を無関係な営業目的で書き写し、保存してよいわけではありません。

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